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初夢2022

by 唐草 [2022/01/02]



 ぼくは寝ているときによく夢を見る。夢を見たという曖昧な記憶とともに目覚めることもあるが、大抵の場合ハッキリした物語の記憶を持っている。見るつもりのなかったテレビドラマをぼーっと見たときぐらいの感じだ。
 夢に見る物語のジャンルは様々。にやけた表情で目覚めるコメディもあれば、ベタな演出のように飛び起きるようなホラーテイストもある。現実での経験が反映されるせいかロマンスは皆無。大好きなサスペンスも滅多に無いし、あってもぼくは探偵ではなく被害者。結局、ホラーになってしまう。内容は多岐に富んでおり、どのストーリーも奇想天外。なにより寝るだけで見られるんだから完全無料。玉石混交の動画サブスクサービスに頼るよりも、ベッドで横になって目を閉じた方が楽しい時を過ごせるかもしれない。
 そんなぼくなので、今年も当然初夢を見た。こんな夢だった。

 小さな食堂にありそうな4人がけテーブルにぼくを含む男4人が座らされている。肩がぶつかりそうなほど狭い席に押しこまれ2人ずつ並んで座っているけれど面識はない。あたりを見回すと役所のような堅苦しい雰囲気で、食堂風のテーブルはそぐわない。
 間髪をいれずに一人の細い男が近寄ってきて「これから再試験を受けてもらう」と告げる。説明によると4人の内の誰かがカンニングをしたそうだ。誰がカンニングしたかは分かっているが、全員再試験だと理不尽なことを言ってくる。連帯責任もクソもあったものではない。「今度はカンニングするな」と釘を差されるが、こんな狭いテーブルでは否が応でも他人の解答が見えてしまう。どうすればいいんだ。
 反論する間もなく藁半紙の冊子が渡される。表紙には大きく国語と書かれている。
 開くと第一問は漢字の書き取りだった。いきなりイヤな問題が来るもんだ。しかも、ただの書き取りではない。企業の社長名をフルネームで書けというのだ。「トヨタ社長の名前は分かるが、漢字が分からん」「ホンダは名前も分からない」と自動車会社社長の名前を必死に悩んでいた。他の3人も苦悶の表情だ。
 これ、国語じゃなくて社会のテストだろ。
 とツッコミを入れたところで夢は終わった。