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エアコンの安心感

by 唐草 [2021/12/30]



 数年前に自宅をリフォームして以来、それまで冬の暖房の主役だったガスファンヒーターの存在が薄れていった。部屋の気密と断熱が飛躍的に向上したので、厳冬期になるまではエアコンで十分になった。11月にガスストーブを出すのが我が家の習慣だったが、それが徐々に遅くなり12月に出すように変わっていった。
 さて、暖冬傾向の今年はいつストーブを出した?
 答は「まだ出していないし、この先も出すつもりはない」。
 十数年ぶりにリビングのエアコンを刷新したら冷房だけでなく暖房も、強力かつ省エネになっていた。温まりの速さだけはガスストーブに敵わないが、一度温まってしまえばセンサーを駆使する最新エアコンのほうがずっと効率が良い。省エネ以外の要素もエアコンに軍配が上がる。ガスや灯油を燃やすストーブは二酸化炭素だけでなく水蒸気も出す。自然に加湿できるのでエアコンよりも乾燥しにくいと言われていた。だが、気密の上がった最近の家だと燃焼で発生する水蒸気の逃げ場がないので、結露やカビの原因になると指摘されている。実際、エアコンにしてから結露がなくなった。
 家の有り様が変わって、暖房に求められる性能も変わった。もう火を焚いて暖を取る時代は終わったのかもしれない。
 完全エアコン暖房に切り替えた恩恵は、結露だけに留まらない。ぼくの心に安らぎをもたらしてくれている。
 つけっぱなしにしていても火の心配が無いことが最大の恩恵だ。外出するときに火の始末を確認する必要もないし、返ってきた時寒くないように暖房をつけっぱなしにすることもできる。ガスや灯油ストーブだったらこんな大胆なことは絶対にできない。我が家には猫がいるからなおさらだ。
 ぼくが冬の外出を嫌っていたのは、屋外が寒いので厚着をしなければならないからだけではない。ストーブを消すのも面倒だし、急いでいると後になってストーブを消したか不安になることがある。この心理的負担が、ぼく行動を制限していた。
 今冬からエアコンだけなので、大きな心配事がひとつ消えて、冬がちょっとだけ楽しくなった。