カレンダー

2021/10
     
      

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

1,000円の行方

by 唐草 [2021/09/30]



 都が発行するLED電球購入補助クーポンのゼロエミポイントを使って蛍光灯をLEDに取り替える話を5月末に書いた。あれから4ヶ月経った今日、1,000円相当のクーポンは使用期限を迎えていた。このまま行動を起こさなければ、この1,000円は無駄にる。急いで家電量販店へ駆け込まなければ!
 電球交換を思い至ってから4ヶ月も放置してしまったのには、深い理由がある。数年前からリフォームを繰り返してきた我が家の照明は、リビングからトイレ、洗面所に至るまで既にほとんどがLED。蛍光灯が残っているところは、取り付けが複雑だったり、電球が特殊だったり、滅多に人の入らない天井裏など。
 取り付けが複雑な照明を交換するには台座からの交換となるので手間だし、1万円近くかかる。1,000円のクーポンでは動く気にはならない。特殊形状の電球は需要がないせいか同じワット数の電球と比べて割高。天井裏の電球は簡単に買えるものだが、1,000円もしないのでクーポン適用外。帯に短したすきに長しという感じで、どの電球を取り替えるのか決まらないまま時間だけが過ぎていった。
 期日を迎えた今日、ようやく尻に火がついた。このままクーポンを捨てるのは、1,000円札をゴミ箱に投げ込むのと同じだ。あまりにももったいない。午後一番に家電量販店に向かうと決めた。だが、厄介な仕事が舞い込んでしまってなかなか机から離れられなかった。仕事がようやく片付いたときには、台風のちぎれ雲が雨を降らせていた。
 雨の中、買い物へ向かうのは億劫だったが1,000円を無駄にしないという強い志で家を出た。買うのは、特殊な形のLED電球だ。
 家電量販店の電球売り場についたぼくはガックリと肩を落とすことになった。よりによって狙っていた電球だけが売り切れだった。同じことを考えた人が結構いて、キャンペーン最終日に売り切れてしまったのだろうか?
 他の電球を買ったところで使う当てもない。雨の中、傘を差してまで買い物に行ったのに手ぶらで帰ってくることとなった。結局、クーポン券はゴミ箱行き。