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Vs. ミント

by 唐草 [2018/06/29]



 先日、ミントの苗をいただいた。苗という表現が適切なのかははなはだ疑問であるが、ようするに根の付いたミントをもらったと言うことだ。特に説明も受けずにもらっただけなので、もらったミントがペパーミントなのかそれともスペアミントなのかも聞いていない。もしかしたら、くれた方も分かっていなかったのかもしれない。
 せっかくもらったので育ててみることにした。だが、ミントと言えば「庶民でも買えるバイオ兵器」と呼ばれるほどの繁殖力がある。無計画に庭に地植えをしてしまうと家は緑の中に没するとさえ言われている。いやがらせをさせるには最高の植物だとの呼び声も高い。この事実を聞いていたので、おとなしく鉢植えで育てることにした。
 ミントの葉があれば、いつでもモヒートを飲める。涼しい飲み物が欲しくなる夏にはちょうどいい。モヒートを作るにはけっこうな枚数の葉っぱを使うので、鉢植えで穏やかに育てていれば需要と供給のバランスが取れることだろう。
 だが、こんなぼくの考えは砂糖水より甘かった。
 そもそもぼくはあまりお酒を飲まない。モヒートが作り放題だと分かっていても週に1杯、多くても2杯程度しか作らない。
 一方、ミントの方は真夏のような日射しを受けてドンドン増殖している。互い違いに直交しながらフラクタル図形のような幾何学模様を描きながら成長する速度は、葉っぱの枚数に比例しているかのように勢いを増していった。最初はひょろっとした苗から3本程度茎が伸びていただけだったが、今ではちょっとした茂みのような状態になっている。このまま手をこまねいていたら、植木鉢から飛び出して大繁殖してしまうかもしれない。
 ドンドン供給される新鮮なミントの葉の勢いを削ぐには、繁殖するのと同じ速度で消費する必要がある。
 その勢いでモヒートを作っていたら毎日飲むことになるだろう。アル中にはならないだろうが、たぶんブクブクに太るに違いない。他にミントの使い道と言えば、チョコミントアイスがある。市販のバニラアイスにチョコチップとミントの葉を練り込んでも、チョコミントアイスにはなりそうになり。仮に混ぜるだけでチョコミントアイスができたとしても、消費ノルマを達成するために食べ続けていたらぼくはデブになってしまうだろう。
 もう歯磨き粉でも作るしか残された道はないのではないだろうか?