カレンダー

2022/07
     
      

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

囚われのベッド

by 唐草 [2024/02/28]



 「20年前の自分にアドバイスを送れるとしたら何を伝える?」という定番の質問がある。「そのまま進め」と自分の歩みを肯定する言葉を口にする人もいれば、「Bitcoinを買えるだけ買え」と強欲だが実践的な助言を選ぶ人もいる。アドバイスに人々の生きざまが垣間見える。
 ぼくが20年前の自分に伝えるとしたら何を選ぶだろう?
 普段だったら「下手なアドバイスがバタフライエフェクトを引き起こして、このささやかな安定を崩してしまうかもしれない」と考える。ぼくの歩みは幸運に支えられた綱渡りだったからだ。
 だが、今日のぼくは迷わずにこう伝える。
 「フレームとマットレスが独立したベッドを買え!見た目が良いからと一体型(脚付きマットレス)を選ぶな」
 約20年前に購入した一体型のベットが寿命を迎えようとしている。どんなに丁寧に使っていても経年劣化には抗えない。体重が掛かる尻付近のスプリングがまたしても固くなってきている。
 以前にベッドの上下(前後?)を入れ替えて、劣化したスプリングに尻の体重がかからないようにした。だが、その付け焼き刃な延命もいよいよ限界を迎えた。第二の尻置き場のスプリングもしなやかさを失ってしまった。マットレスの外せない一体型なので、ベッドそのものを交換するのが最善なのだろう。
 我が家は込み入った住宅街にある小さな建物。20年前にベッドを搬入した時、狭く曲がった階段を通れなかった。だから、クレーンを使って窓から搬入するという人体消失イリュージョンマジックでも始まりそうな大掛かりな作業になった。
 もし、この部屋からベッドを出すとしたら同じ作業が必要になる。だが、それはできそうにない。
 クレーン車を置いた空き地はすでに無いし、PC機材で溢れかえったぼくの部屋にベッドを動かせるスペースもない。どうしてもベッドを出したいのなら自室でベッドを破壊するしかない。
 もし、一体型でないベッドを買っていたらこんなことにはならなかった。今頃は、高級マットレスに買い替え、包まれるように惰眠をむさぼっていたはず。
 20年前の自分よ、見た目より実用性でベッドを選べ。