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衛星を見たい

by 唐草 [2023/12/02]



 スターリンクは人工衛星を使って世界のどこからでもインターネットを利用できる通信サービス。高速で安定した通信網のある日本で利用する価値は低いが、個人で人工衛星と相互通信できるのはSFチックな魅力に溢れている。
 スターリンクの衛星は低軌道を飛んでいるため条件が合えば地上から見える。数十台の人工衛星を一列に並べて人工衛星アレイを形成しているので、空に光の玉がいくつも等間隔に並んで動いている姿を見られるそうだ。なにも知らなければUFOだと思うだろう。そんな現代の天体ショーをぜひ見たい。そう願って、何度か日が沈む西の空を眺めたが、残念ながらまだ目撃できていない。
 SF好きのぼくは期待を込めて夜空を見上げているが、一列に輝く人工衛星アレイは天文ファンに嫌われている。夜空の写真を見れば納得だ。星の前に明るい光の筋がクッキリと写っている。その光景は、夜景を楽しみたいのに照明をつけた通信塔がずらりと並んでいるようなもの。
 スターリンクの今後はどうなるのだろう?最先端の技術を駆使してこれまでになかったことを実現したのは素晴らしい。とは言え、科学史を振り返ると新たな技術が、パンドラの箱を開けてしまい後々に破滅的な結果をもたらした例はたくさんある。肥料を作ろうとしたハーバー・ボッシュ両名の発見は、火薬の製造を加速させ戦火を拡大させた。麻薬の一部は、画期的な痛み止めとして発明されたはずだった。
 スターリンクは、ぼくらに直接の影響はない。でも、まだ気づいていない自然への影響があるかもしれない。例えば、星を目印にする渡り鳥が迷子になるかもしれない。
 失敗を恐れたり、完璧を求めたら一歩も先に進めなくなる。ぼくはイーロン・マスク氏の考えには賛同できない部分が多いが、先例にとらわれず大胆なことをやってのけるのは嫌いじゃない。
 天体観測が好きな人には悪いが、夜空がうるさくなったのはテクノロジーの進歩だと受け入れてほしい。スターリンクに文句を言う人々だって、ビルが空を覆うことには慣れているはず。将来、空にはもっと多くの人工衛星が飛び回るだろう。それが空の日常になる日も近い。