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アナログ人間の限界

by 唐草 [2023/09/26]



 コンピュータの進歩は留まることをしらない。これだけ高性能になってもムーアの法則は崩れず、2年で約2倍の性能に進化し続けている。
 時々「今の性能で十分」という意見を耳にする。目の前にあるコンピュータの性能に不満はない。むしろ性能を持て余してる。そんな現状を考えると「十分」という意見が出てくるのも頷ける。
 でも、今の高性能だから実現できることをやろうとすると途端に性能不足を痛感する。ゲームやAIはその典型だ。
 おそらくどんなに速いコンピュータでも人は満足できない。素粒子1個単位で宇宙の歴史100億年分のシミュレーションを3分で計算できるようになっても、1分で計算できるものがほしくなるだろう。
 こんな具合にぼくらの好奇心と欲求には限界はない。この世で最も無限に近いのは、人間の欲かもしれない。しかし、人間がどんなに欲深くとも生物学的な限界がある。
 人体が今の構造である限り、これ以上性能を上げても意味がないと言われている分野がいくつかある。その1つがモニターだ。
 Full HDを初めて目にした時、画面の精細さと美麗さに驚くと同時にこれで十分だと思った。4Kを見たときにも同じ驚きを覚えた。おそらく8Kを見たときも同じように驚くのだろう。
 画面のリフレッシュレートも同様だ。初期のスマホがガタガタに感じられたのは、リフレッシュレートが低かったことも一因。60Hzが120Hzに上がるとPCでもマウスポインターがより滑らかに動いて見える。240Hzだとさらに滑らかだし、ゲームの没入感も上がるそうだ。240HzのモニターはVRには欠かせない性能との声もある。
 最新のモニターのリフレッシュレートは500Hzを超えている。だが、この速度は人間の目の性能を超えたとも言われている。240Hzとの有意差は感じられないそうだ。
 コンピュータと周辺機器がどれだけ進化の余地を残してても、人間がアナログデータしか受け取れない限り性能進化を享受できなくなるほうが先にくるようだ。少なくとも音や映像では、その領域に達しつつある。
 アナログなぼくらも進化しないと。デジタルを生で扱えるように。