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ぎっくり腰持ちの夢

by 唐草 [2023/09/23]



 今朝は、ようやく秋の到来を感じられる涼しさとなった。数日前との気温差を考えると、いささか急な秋の到来にも思える。まるで誰かが、押し忘れていた秋のスイッチを慌てて押したかのよう。
 暑すぎもせず、寒すぎもしない気温だったので、久々にエアコンに頼ることなくぐっすり眠れた人も多かったのではないだろうか?ぼくも床についたときは心地よさを覚えており、まぶたを閉じると同時に眠りにつけた。 
 だが目覚めは、この5年で最悪と断言できるほど酷かった。
 目覚めた時、あたりはまだ薄暗かった。おそらく午前4時台だろう。普段だったら絶対に目が覚めないような時間だ。
 日の出前にぼくを起こしたのは、自分自身の腰だった。
 腰の筋肉が木になってしまったかのように固まっていた。そのせいで体が動かせなかった。いわゆる金縛り状態だ。
 だが、ぼくが陥っていたのは金縛りが可愛く見えるような状況。腰に強い痛みが走っていた。その痛みは、ぶつけたり、切ってしまったときのような熱さのある痛みではない。筋肉痛のような疲労感のある痛みでもない。体の中に動かない異物を押し込まれたような痛みだ。そして、ぼくはこの痛みを知っている。
 ぎっくり腰になったときの痛みである。
 これまで何度もぎっくり腰を経験している。毎回、驚くような何気ない動作でぎっくり腰を発症してきた。そして、ついに寝ているだけなのにぎっくり腰を発症してしまったのだろうか?
 もし、ぎっくり腰なら安静にするより他に道はない。
 横向きで固まった体を腕を使って仰向けに直す。腰はまるで動かない。まるで一度濡れた本のくっついてしまったページを剥がすように慎重に体の向きを変えていく。
 ぎっくり腰に慣れているとは言え、寝てる間になるなんて自分でも情けない。腰の痛みで泣きそうな気分にさえなる。
 どれぐらい時間が経ったかわからないが、どうにか仰向けになる。あとは自分を木だと思って動かず安静にしているしかない。
 次に目を開くとあたりは明るくなっていた。どうやら一度眠っていたようだ。
 腰は痛くもなんともなかった。あれは超リアルな悪夢だった?