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8月に昼寝をしまくった理由

by 唐草 [2023/09/04]



 体感的にも記録的にも暑かった8月を思い返しても、暑さの記憶はあまりない。それもそのはず、100%在宅ワークを実現したので、さながら遠隔管理するサーバ室のように24時間冷房が効いた自室からほとんど出なかったせいだろう。皮肉にも、暑すぎたゆえの認知の歪みが起きている。
 その代わりに8月で思い返されるのは、この数年でもっとも昼寝をしたことだ。在宅ワークの特性を極限まで活用したライフスタイルと言えば聞こえは良いかもしれない。また、暑い時間は無理に活動せず昼寝をするのが一番だというシエスタ的な考え方も悪くない。
 自由な生き方を支えてくれる昼寝への考え方はいくつかあるが、そのどれもがぼくを支えるには頼りなかった。
 なにせこの夏の昼寝は、仮眠しようと体を横にして寝たわけではなかったからだ。自室で机に向かって作業しているときに突然意識を失うように寝ていた。それは退屈な授業を聞かされている大学生のよう。
 だが、ぼくは自分で自分の手綱を握っていると自負している。無気力な大学生が、夜更かしの代償を興味のない授業中に払っているのとは違う。だから、ちょっとばかり自分の体調に不安さえ感じていた。
 暑すぎて夜にしっかり眠れていないのではないか?一日中冷房の効いた部屋にこもっているので自律神経がおかしくなっているのではないか?買い物に出るとしても、日が沈んだ午後7時以降がほとんどなので太陽を直接見ていない。そのせいで体内時計が狂ってしまったのではないか?と色々なことを考えた。
 でも、それらは部分的な正解でしかなかった。実際はもっと単純な話だった。
 冷房を効率良く使うために部屋のカーテンはしっかりと締め切っている。遮光カーテンなので陽の光は、カーテンのドレープの隙間から漏れる程度。PCを使うだけなら部屋の明かりはいらないので、節電の一環として部屋の照明を消していた。
 だから、ぼくの部屋は時間を問わず海の底のように暗かった。これがすべての原因であり、ようするに暗いから眠くなって寝ていただけ。
 明かりをつけるようになったらまったく昼寝をしなくなった。
 暑さにめげず健康な夏を過ごせたようだ。