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セキュリティーアンケート

by 唐草 [2023/05/28]



 毎日何通ものメールが届く。こちらの都合などお構いなしに届くメールは煩わしい存在だ。きっとぼくが送ったメールも誰かの平穏を破っているのだろう。
 どんなに煩わしくとも、仕事用アカウントに届くメールは自由気ままなリモートワークを支える頼もしい存在でもある。一方、色々な登録に使っているアドレスに届くメールは広告ばかり。読めば美味しい情報にありつけるかもしれないと真面目に読んでいたこともあったが、それも昔のこと。今では放置を決め込んで未読メールは6,000通近い。
 こんなにも多くのメールを放置できるのは、メールフィルターのおかげ。価値の低いメールは、目に触れることもなく広告フォルダへと送られる。
 優秀なフィルターとは言え、ときには広告の侵入を許すこともある。1通の広告がぼくの目の前に舞い込んできた。
 発信元はぼくが利用している国内大手IT企業のようだ。タイトルは「【Amazonギフト券が当たる】セキュリティーアンケートにご協力ください」だった。
 タイトルに惹かれて思わずメールをクリックしてしまった。
 勘違いしないでほしいのだが、Amazonギフト券に釣られたわけではない。以前にアンケートを集める側として働いていたのでアンケートに寛容なぼくだが、その寛容さがメールを開かせたわけでもない。
 あまりにも怪しかったから開いて怪しさを直に確認したくてたまらなかったのだ。それは、不味いと言われている食べ物をあえて食べてみたくなる好奇心に似ている。
 アマギフが当たるアンケートという時点でフィッシングの香りがする。また、メールが本物だったとしても、おそらく罠だろう。金銭に釣られて個人情報を渡す姿勢に警鐘を鳴らすものだとしか思えない。
 フィッシングなら個人情報を奪われ、本物なら叱られるという展開しか見えない。どう転んでも得るものはなさそうだ。
 でも、これほど露骨な釣り針だとかえって釣られてみたくなる。懐かしの「そんな餌に釣られるか」のAAみたいな気分。
 そんなワクワク感は、メールに書かれたアマギフの額が1,000円というケチくさい事実を見ると同時に消え去った。