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君の限界とぼくの限界

by 唐草 [2023/03/28]



 コンピュータを使っていると時々限界にぶつかる。
 最初に思いつく限界はメモリの不足。コンピュータが遅いと感じる理由の大半がこれ。Google Chromeのようにメモリは使えるだけ使おうという発想のアプリがあるとすぐに足りなくなる。
 メモリ不足を起こすと、足りない分を補うためメモリ上のデータの一部をメモリより遥かに遅いディスクへ待避させる。この処理の遅さが使用者をイラつかせる。
 その他にもハードディスクが遅くてアップデートに時間がかかったり、CPUやGPUの処理力が足りずゲームがカクカクになることもある。これらはすべてハードウェアの限界にぶつかったことで起きる。
 大勢が利用するサーバや複雑な計算をするワークステーションのようなハイエンドコンピュータは、必要な処理能力を試算してから機器を選ぶ。だから、限界に達することは滅多に無い。もし、ハードの限界に達してしまったのなら、それは試算間違いを意味する。
 スーパースペックなコンピュータを使っていると「遅くてイラッ」というような普段遣いで感じる限界とはまったく別の限界に出くわすことがある。
 設定中のサーバが「ファイル開きすぎ」の警告を出してきた。個人でPCを使っている限りまず目にすることの無いエラーだ。ぼくもこの制限をすっかり忘れていた。
 あまり知られていないがOSは、1つのプログラムが大量の処理力を要求することを禁じている。これによって全体の安定性を保っている。Linuxの場合、1プロセスが開けるファイル数を1024までに制限していることが多い。
 1024は個人には十分な量だ。「ブラウザのタブが300を超えた」とか聞くことがあるが、そんなのはまだまだ序の口。ところが、大勢が同時に使うと1024ファイルなんてあっという間に使い尽くされる。
 ぼくは3600人が同時にサーバを使えるように設定していた。これでは1024ファイルで足りるわけがない。警告が出るのは必然だ。
 ハードの限界が上がると、普段は意識することすらないソフトの限界にぶつかる。その事実に何度ぶつかっても全然覚えられない。これがぼくの限界。