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電波に勝てない

by 唐草 [2022/12/07]



 オンデマンド放送からライブ配信に至るまでインターネットには様々な動画視聴方法がある。配信場所も多様だ。YoutubeやInstagramのような投稿動画がある場所もあれば、Prime VideoやNETFLIXのような映画やオリジナル番組を有料配信するところもある。同じ国の中なら地域格差もない。視聴デバイスも自由。移動中にスマホで見ることも、テレビにつないで腰を据えて見ることだってできる。
 インターネット放送には、従来の電波放送を上回る多様性と柔軟さがある。この優位性を考えれば、放送の中心が電波から回線へと移行するのは時間の問題だろう。
 現在開催中のサッカーW杯カタール大会をテレビ放送ではなく、ネット放送で見た方も多いようだ。その証拠にABEMAは過去最高の接続数を記録している。
 こうしてメディアの主役が交代していくのだろう。新聞からラジオ、そしてテレビへと移ってきた転換が、また一歩先へと進むときが来た。その歩みが一方通行なのは歴史が証明している。さぁ、テレビに別れを告げよう!
 と声高に叫ぼうと思ったんだけど、奇しくもW杯の熱狂がインターネットの弱点を露呈させてしまったことで、ぼくは声を上げるのを躊躇っている。
 インターネットは不特定多数へ同時配信するのが苦手。普段であれば人々の興味は様々な方向に散らばっているのでインターネットを脅かすような集中は起きない。でも、今回のような熱狂が巻き起こるとお手上げ。ABEMAでも接続が切れたり、入場制限がかかったりしたと聞いた。今のABEMAだと2,400万アクセスぐらいが限界のようだ。視聴率換算で20%程度。
 一方、電波は不特定多数への配信に特化している。日本人全員が同時に同じチャンネルを見てもなんともない。これだけは一方通行な電波放送の圧倒的な強み。
 オンラインゲームの発売日や通販のセールでも起こる集中アクセス問題。この問題を手軽に解消できるようになるまで電波放送の優位性を崩すのは難しい。放送がインターネットだけになるのは相当先になりそう。そんなことを思い知らされた。まだラジオだって電波で放送されているしね…。