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○とも×とも見える記号

by 唐草 [2022/11/22]



 先日、職場で全職員強制参加の大規模な研修会があった。再びコロナの勢いが増してきたこの状況で百人以上の職員が一堂に会するのはいかがなものだろう?いくら大きなホールで職員間の会話がないとは言え、あまり褒められる状況ではない。
 研修の内容は企業倫理と知的財産の取扱に関するものだった。ものすごく簡単に言えば、「不正しちゃダメだよ」ということと「海外と仕事をするときは気をつけようね」ということだった。
 しかし、残念なことに世の中はもっと複雑だ。どんなことが不正に当たるのか、海外との取引はどのような法令に従う必要があるのかという超絶お固い話だった。ゲストスピーカーとして呼ばれていた専門家は、どこかの大学の先生らしく話は退屈。スライドは、お役所仕事にありがちな1画面に情報を詰め込みまくったもの。
 そんな状況であれば眠くなるのも当然。気を抜けば爆睡して机に突っ伏してよだれを垂らしていることだろう。大人なぼくは、そういう学生みたいな失態は犯さない。スマホで配布資料を見るふりをしながら、マンガの考察サイトを眺めて睡魔と戦っていた。
 約1時間半の話が終わった後、衝撃の展開が待っていた。
 理解度確認テストを提出することになったのだ。
 配布されたA4の紙には、分かりにくい言葉遣いや極端な条件設定がされているいかにもひっかけ問題らしいクソ問題が10問並んでいた。文章が正しいかどうかを○と×で答えることになっていた。
 1問目を眺めてみたが、さっぱりわからない。話を聞いていなかったんだから当然だ。適当に○と×を並べても良かったけれど、そうはしなかった。問題文を読むどころか、○と×のどちらを書こうか考えるのすら面倒だった。だから、すべての解答欄に○とも×とも見えるαみたいな謎の記号を書き連ねて提出した。採点者も苦しめという呪いの解答である。
 なお、問題文を読む気が起きなかったのは睡魔のせい。この睡魔は、退屈な話だけでなく午前8時からの勤務のせいでもある。ちなみに研修会が終わったのは18時半。休憩を除くと11時間勤務じゃないか。裁量労働制とは言え、この拘束時間は企業倫理違反じゃないの?