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マウス突然変異

by 唐草 [2022/10/05]



 先月モニターアームを設置して以来、机を広く使えるようになったのでキーボードなど様々なものを少しずつ移動させた。1つ1つの変化は数センチ程度であるものは右へ、別のものは奥へと動いた。そして新たなスペースが生まれると、これまでとは違う配置を試せるようになる。小さな変化が大きな変化の呼び水となってまるで地に這う生き物の群れの動きようにぼくの机は変化していった。
 その結果、仕事机の様子はガラリと様変わりした。
 見た目はイマイチだ。しかし、今の配置は数時間ごとの短いサイクルで繰り返された突然変異的な模様替えの果てにたどり着いた進化の到達点。淘汰されなかった有機的なインテリアと言えるだろう。
 進化に例えたくなる方向性に乏しい模様替えの中でもっとも劇的に配置が変わったのは、やはりマウスだろう。先日も書いた通り、ここのところ使うソフトの都合でトラックボールを離れマウスに回帰している。それまで机になかったマウスは、誤って取り込まれた異物のように定位置を持たずに様々な場所を動き回っていた。
 右手で使うマウスはキーボードの右側に置かれるのが相場だ。ぼくだってトラックボールをキーボードのテンキーのすぐ右に置いて使ってきた。でも、その定石的ポジションは今のぼくと相性が悪かったようだ。
 可能な限り腕を動かしたくない。常に両手でキーボードをタイピングしたい。手を動かさずに届く位置にマウスを置いておきたい。そんな欲求を無意識のうちに叶えようとしていたのだろう。
 気づいたらマウスはキーボードのスペースキーの下にあった。しかも、ちょっと斜め向き。
 その位置にマウスを置くと右腕を数センチ引くだけでマウスとキーボードを切り替えられる。切り替えても肘から先の角度があまり変わらないので腕を動かしたという感覚はない。そのことを無意識のうちに高く評価していたようだ。
 この配置はデスクトップでは珍しいかもしれないが、ノートPCに近い配置とも言える。ぼくの気まぐれで無計画な模様替えは、まったく別の思想で作られた合理性の塊と同じ形へと収斂進化したようだ。