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描き下ろし?

by 唐草 [2022/10/04]



 ポストの中にカワウソがいた。これで何度目だろうか。いい加減にして欲しい。今回もまた世間で人気のカワイイやつではない。茶色でずんぐりしていて脚には毛が生えていないし、ハワイを目の敵にしているカワウソだ。いつもこいつだ。
 そう、マンガ『伝染るんです。』でおなじみの「かわうそ君」(以下、山田)だ。
 ここ数年、東京新聞は吉田戦車のかわうそ君をマスコットキャラクターにして広告を打っている。『伝染るんです。』を筆頭に『殴るぞ』などの吉田戦車のマンガ好きのぼくとしては無視できない広告だ。
 そして広告を見るたびに東京新聞の姿勢を疑ってしまう。
 山田は作中で「憶測」を売って小銭を稼いでいる。そんなジャーナリズムとは対極にあるキャラクターをマスコットにするという考えが理解できない。東京新聞はそういう新聞社なのだろうかという不安を拭えない。このことは去年の春にも触れている。
 だが、別の考えもできるのではないかと思えてきた。それは東京新聞はニホンカワウソと同様にここ数年誰も見ていないレベルで絶滅の危機にあるという自虐の可能性だ。こうだとすれば、かなり尖った良い広告と言える。
 広告の解釈とは別にちょっと気になったことがある。先日投函されていた広告に使われていた山田の絵だ。マンガのどこかのコマで見たことあるような気もするが、『伝染るんです。』のどこに収録されているのか特定できなかった。『殴るぞ』や『山田シリーズ』なども調べたけれど見つからなかった。
 塗りがデジタルっぽい感じなので、ひょっとすると描き下ろしなのだろうか?
 ちょっとドキドキしてしまったが、どうやら描き下ろしではなさそう。まだ確認はできていないけれど、東京新聞で連載しているマンガのコマから拝借したもののようだ。
 かわうそ君はいいキャラだし、今読んでも『伝染るんです。』は面白い。でも、新聞を取ってまで読みたいとは思わない。と言うか、連載マンガしか魅力を感じない新聞ってどうなの?発刊する意味あるの?ニホンカワウソと同じ運命しか想像できないよ。