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さよならIMAP

by 唐草 [2022/08/05]



 先月末にMicrosoftのTeamsがダウンした。このとき世界中で「急いでエラーを直さなくていいよ」という声が上がった。ぼくも同じことを考えていた。連絡手段が絶たれていれば、大手を振って仕事をサボれるからだ。
 世間のよこしまな期待とは裏腹にMicrosoftのエンジニアは頑張ったようだ。程なくしてエラーは解消した。
 とは言え、なんだか復旧以降Office 365のメール関連で小規模なエラーが頻発しているように思える。先週は、一時的にPOPによるメール受信ができなくなっていたらしい。ぼくはPOPを使っていないので気づかなかったが…。今週はIMAPによるメール受信ができなくなっていた。この問題には真正面から激突してしまった。
 相次ぐメール関連のエラー。そして、10月に迫る旧来のメール受信方法の切り捨て。このことを考えると、先月の大規模エラーはメール認証系の更新によるトラブルに起因するのではないかと邪推したくもなる。
 数十年に渡って使われてきた伝統のメール送受信プロトコルを完全廃止するとは、Microsoftも思い切った決断をしたものだ。先日、メールサーバを作ったときにも書いたが、既存のメール送受信プロトコルは設計の古さ故に限界を迎えようとしているのかもしれない。後付のセキュリティー機能でとても煩雑なものになってしまっている。
 10月以降は、伝統のメール送受信プロトコルに代わってMicrosoftのExchangeを強制されることになる。Exchangeも20年以上の歴史のあるメール互換システムで、対応したソフトもたくさんある。それにMicrosoftが自社のサービスに一本化するのは理にかなった話である。
 でも、個人的にはなんだかネットの潮目が変わってきた感じがして素直には受け入れがたい変更でもある。
 メール送受信のように古いプロトコルはRFCで、さまざまな人が議論して民主的に規格を作っていた。でも、最近のプロトコルは企業主導の色合いが濃いように思えてならない。
 自由で開かれたインターネットなんてプロトコルレベルで幻想になっている。