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楽しくないSMTP

by 唐草 [2022/07/28]



 サーバと言うと、冷蔵庫みたいな背の高い棚に収まったすごそうなPCというイメージを抱く人が多いのではないだろうか。このイメージは正解とも言えるし、間違いとも言える。
 厄介なことに「サーバ」という言葉は、ハードウェアを指すこともあればソフトウェアを指すこともある。厳密に言葉を定義すると「多くの人が利用する『サーバ』ソフトウェアを動かすハードウェアのことを『サーバ』と呼ぶ」という感じ。機械そのものよりも何が動いているかが重要。
 サーバ・ソフトウェアには、Webサーバやメールサーバ、ファイル共有サーバなどさまざまある。データベースもサーバとして動かすことが多い。
 これまでにカラクサラボを含めてさまざまなサーバの設定を行ってきた。設定が楽しいサーバもあれば、可能な限りやりたくないサーバもあった。
 もっとも楽しくないのがメールサーバ。メールサーバを構築して欲しいという依頼が来たら迷わず断る。
 ぼくが苦手意識を持っているのは設定が複雑だということだけではない。時代に合わせて設定内容が絶えず変化しているからだ。昨日の手法が明日使えるとも限らない。電子メールは誕生から50年ぐらい経過している。変わらず使えているように見えるけれど、裏側はスパムと不正アクセスとの果てしない戦いの連続。
 20年ぐらい前は、どのメールサーバにメールを送っても世界中に届け出てくれた。それは宛名を書いたハガキをポストに投函するのと同じ。しかし、今では多重に認証を重ねて初めてメールを送れる。郵便に例えるのなら、窓口で事前登録した身分証明書を示して初めてハガキを受け取ってもらえるようなもの。しかも、窓口手続きは場所によって違うという感じ。
 今日も渋々メールサーバ設定をした。コマンドを打っている時間よりも、認証のための証明書を作っている時間の方が長かった。設定が終わったときに感じたのは、確定申告の書類を作ったときと同じような疲労感。
 メールサーバ設定はIT業務というより事務仕事。だからやりたくない。