カレンダー

2024/03
     
2930
31      

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

イージーの代償

by 唐草 [2022/07/23]



 あるゲームでトロフィーコンプリートまであと1つというところにいる。最後に残ったのは隠しボス撃破のトロフィー。残るべくして残ったトロフィーという感じがする。
 残念なことに、今のところトロフィーをゲットできそうな見込みは立っていない。なすすべもなくボスにコテンパンにやられているからだ。
 トロフィーの取得率を見てみると約12%となっている。これって隠しボス撃破率としては高いほう。もっと絶望的な数字のゲームをいくつも見たことがある。クリア率が高いのは、どの難易度で倒してもトロフィーを取得できるからだろう。ノーマルで遊んでいたけれど、隠しボスだけはイージーで倒した。そんな人も含んだ12%なのだと睨んでいる。
 倒せないなら難易度を一番低いイージーにすれば良いじゃないか。無理に難しいモードに挑んでストレスを溜めるぐらいだったら、簡単なモードでスカッと倒したほうが気持ちいいに違いない。
 ここまで読んで、ぼくにそうアドバイスしたくなるだろう。
 だが、違うんだ。ぼくはイージーなのに勝てないのだ。
 このゲームは、ノーマルモードだとシビアすぎて道中の雑魚にすら負けることがある。そんな難易度設定にウンザリしていたので開始1時間ぐらいでイージーにした。以来、防御も回避も捨てて正面から敵を殴るだけという荒々しいスタイルでゲームを進めてきた。
 ラスボスまでそのスタイルで進められたのだが、隠しボスはそれを許してくれなかった。防御すべき時はしっかり防御して、回避するべき時は回避に専念する。そして、ここぞというチャンスに無理せず攻めることが要求される。
 長い物語の中で培ってきたはずの戦闘スキルすべてを発揮して挑むことが求められる。
 だが、イージーのぬるま湯につかって相手の弱さを己の強さと誤解していたぼくには、戦闘スキルなんて微塵もない。ボスの攻撃を真正面から受け、一方的にボコボコにされている。その姿は、これまでぼくがボスを撃破してきたときと真逆。
 イージーで何も身につかないまま最後までたどり着いてしまったがゆえの苦しみ。隠しボス相手に戦闘の基本を学ぶのはハード過ぎる。