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名無しの開発環境

by 唐草 [2022/07/13]



 プログラミングを学ぶ際の最大の障壁は何か?
 作ろうという目的意識を持ち続けること?分かりやすい教科書に出会うこと?性能の良いPCを手に入れること?いいや違う。もっと分厚い壁がある。
 それが開発環境の構築だ。これを乗り越えられなければスタートラインにすら立てない。
 多くの言語には、未経験者には何をやっているかサッパリ分からない準備段階がある。そこで打つ意味不明なコマンドは呪文と同じようなものだし、準備のためにインストールするソフトはPCに捧げる生贄のようなもの。傍から見れば悪魔を召喚する黒魔術と大差ない。
 ぼくのようなWeb開発者の開発環境構築は、なかなか骨の折れる作業だ。Webサーバで動くものを作るので、ネットのどこかにWebサーバを準備するところから始まる。そこで目的の言語やデータベースを動くようにして、さらにネットワークとセキュリティーの設定を終えてようやく実行側の準備が完了。次にPCに開発ソフトをインストールして、サーバとつながるようにしなくてはならない。
 基本の「キ」である”Hello World”を表示するために、その数百倍の設定をする必要がある。これは慣れていても面倒な作業でぼくも好きじゃない。初心者の心を砕くには十分な煩雑さと難解さがある。
 これまでにいくつもの開発環境を構築してきた。その過程でたどり着いた最適解が、自宅にサーバを置くという方法。制約だらけのレンタルサーバと異なり好き放題できる自宅サーバはいい勉強になった。
 だから、ぼくの側には常にサーバがある。もうサーバなしでは生きていけない。
 もちろん今もあるけれど、その姿は以前とだいぶ違う。先日までは、開発PCに入れた仮想マシンをサーバにしていた。物理的なサーバマシンは無くバーチャルな存在になっていた。仮想サーバは便利なんだけど、無駄が多いのも事実。
 その無駄をなくすために開発マシンそのものをサーバにすることにした。サーバとクライアントの垣根をなくしてしまおうという考え方だ。というわけで、十数年ぶりのmacOSサーバ構築である。
 さて、この新しい状況をなんと呼ぼう?