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ブラウザの呪い

by 唐草 [2022/07/08]



 かれこれ20年ぐらいWeb開発に携わっている。昔は利用者が触れるフロントエンド開発ばかりだったが、次第にサーバ側のバックエンドを扱うことも増えていった。今では、フロントエンドもバックエンドも両方扱っている。
 Webサービス全体を俯瞰する立場になって感じたのは「バックエンドの仕組みを理解していなければ作れないフロントエンドもあるし、フロントエンドの使われ方を理解していなければ設計できないバックエンドもある」ということ。世間では求められる技術が異なるのでフロントエンドとバックエンドで業界内部が分けられている。でも、両方できるならそれに越したことはない。
 この20年でWebのあり方はだいぶ変わった。Web 2.0と騒がれた頃が懐かしい。当時の最新は今では何世代も前の遺物でしかない。このサイトはWeb 2.0の遺跡みたいなものだ。
 最近「Web 3の到来だ」と声高に叫んでいる人も出始めた。彼らは先行投資したNFTを一般人に売り抜かないといけないので痛々しいほど必死だ。このままだとWeb 3は、Web 2.0以上に実態の伴わない存在になってしまいそう。
 生き馬の目を抜くような20年の変化であったが、変わらないこともある。
 その1つが、ブラウザ対応の面倒さ。
 Windows xpに搭載された独自仕様の塊であるInternetExplorer 6が幅を利かせていた頃が最悪の暗黒期だった。先日、正式にInternetExplorerのサポートが終了した。しかしながら、すべてのブラウザが同じ結果を表示する理想的な状況からはまだ遠い。
 スマホの普及は、PCしかなかった時代よりも検証すべき対象を増やしてしまった。iOSとAndroidだとだいぶ違うし、同じiOSでも12と15では細部が異なる。
 だから、今のぼくの机の上には3台の新旧iPadを筆頭に検証端末が5台も並んでいる。開発者を苦しめるブラウザの呪いと呼びたくなるOS世代とソフトの仕様の差は、姿を変えて今もぼくらを悩ませる。これが真に解消されるのは、Web 9.5ぐらいだろうか?