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デジタルの獣に首輪を

by 唐草 [2022/05/14]



 妙に部屋が暑いなと思ったら、PCが熱風を撒き散らしていた。PC背面に手を当てるとちょっと触れないぐらい熱い。アプリで温度を確認すると78℃もあった。もはや電気ストーブの域だ。
 そのとき遊んでいたのは、あまり性能を要求されないはずのインディーズゲーム。画質設定を変えても顕著な差が見られなかったので低画質で遊んでいた。それなのに内部温度が80℃近くになるとは何事だ。
 確認したら、どうもゲームの最適化ができていないようだった。グラフィックカードの制御がうまくできず、画質に関わりなくフルパワーで動いてるように見える。
 このゲームより遥かに精緻な描画をするゲームも多くあるが、負荷はもっと少ない。これが、大手とインディーズの技術力の差なのだろう。
 ギリギリ夏日に届くような5月の陽気でこの状況だ。このまま夏本番を迎えたら大変なことになる。PCが自身の熱で壊れるか、排熱でぼくが熱中症になるかのどちらかだ。
 そんな悲劇的な結末を迎えたくはない。ゲームのためにエアコンをフル稼働させるのもバカらしい。それではまるで仮想通貨のマイニング工場のようだ。PCの設定を調整してエコで健康的なゲーム環境を作るべきだろう。
 グラフィックカードの性能を調整するソフトを導入した。このソフトはメーカー推奨よりも負荷の大きな状態で無理やりグラフィックカードを動作させるために使う。いわゆるオーバークロック設定ソフトだ。
 「バカとハサミは使いよう」ではないけれど、本来は性能向上のために使うソフトをうまく使えば、グラフィックカードの暴走を食い止めることもできる。性能を上げるときとは、逆の設定をすればいい。
 供給電圧を落とし、動作周波数を下げ、リミッター動作温度を下げる。それは、まるで暴れる獣に首輪を巻いて檻に閉じ込めるようなもの。
 結局、5割ぐらいまで性能を落としてもゲームには大きな支障は出なかった。温度も60℃ぐらいで安定している。いい感じだ。
 とは言え、本来は開発がやるべき最適化をなんでぼくがやってんだろう?