by 唐草 [2022/02/26]
廃棄業者に送った初代カラクサラボサーバのPowerEdge SC420は、今頃もうスクラップ待ちの列に並んでいることだろう。長年乗ってきたマウンテンバイクを手放したときと同じ気分だ。頭で考えれば、故障した機械、それも大量生産された無骨で大きな機械を手元に置いておくのは賢明ではないのは明白。でも、ぼくには特別な1台であった。
昨日の記事も含めて、この文はぼくなりの追悼みたいなもの。涙こそ流してないが、ぼくは気に入ったものへの愛情が強すぎるきらいがある。
ぼくはほぼ毎日とりとめのない駄文を書いている。ブログというには私的な内容だが、秘められた心の内を記録した日記というには実務的すぎる。初めは人に読んでもらうことをギラギラと意識していたけれど、続けていくうちにその考えは希薄になっていった。今では、日々の記録を残すのが楽しいという理由だけで毎日900字近く書いている。
ひとつひとつの記事には、ポイ捨てされた空き缶程の価値も無い。それでも10年以上重なったものを見返すと意外な発見や考えの変遷をうかがい知れる。量の勝利だ。
PowerEdge SC420との関わりも過去ログから窺える。今となっては「何も分からずにコマンドを打ってたんだな」と呆れることもあるし、四苦八苦が今につながっていると確信できることもある。
忘れてしまった思い出も含め多くの記録が残っているが、ひとつハッキリしないことがある。
それが、PowerEdge SC420と初めて対面した日である。
故障した2011/7/30に『6年間稼働し』と書いているので、2005年に購入した計算となる。
ところが、2005年の記事を読み返しても「サーバを買ったぞ!」と息巻いている記事はない。自宅サーバを作ろうとMacで奮闘していた記録があるだけ。当時は毎日記事を書いていなかったが、こんな美味しいネタを無視するとは思えない。購入当日は興奮のあまり更新をほっぽり出すかもしれないが、翌週ぐらいには何らかの反応を残していそうなものだ。
なのになんの記録もない。ある日を堺に忽然と現れ、それまでも鎮座していたかのように扱われている。初代カラクサラボサーバ出現の謎は、過去ログを紐解いても不明なまま。