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さよならPowerEdge SC420

by 唐草 [2022/02/25]



 同じタイトルの記事を10年以上前の2011/7/30に書いている。前回もPowerEdge SC420にさよならを伝えているが、10年前と今日では「さよなら」の意味が違う。
 PowerEdge SC420は、初めて購入したサーバ機。ぼくが「初代カラクサラボサーバ」と呼ぶPCだ。このPCで自宅サーバの運用を始めたのが、大きな転機になった。今のぼくは数千人が利用する中規模サーバの管理をしているが、そこで発揮している技術と知識の源泉は初代カラクサラボサーバでの悪戦苦闘の毎日にある。
 初代カラクサラボサーバでの活動は綱渡りの連続だった。知識も経験も参考になるものない。そんな状態でOSすら入っていないPCを相棒にネットの海に漕ぎ出したのだ。無謀な挑戦ゆえに回り道も多かったし、迷子になることもあったが、同時に得るものも多かった。お膳立てされた環境や理論整然とした教科書では学べないサバイバルの連続がぼくを厳しく鍛えてくれた。
 PowerEdge SC420はぼくの技術基盤を形成してくれた相棒だ。しかし、シリコンと金属の塊のPCと言えども限界はやってくる。
 それが10年前の「さよなら」。このときはハードの不調が続いてサーバ乗り換えを決断した。「さよなら」は現役引退宣言のようなものだった。
 そして10年後の今日の「さよなら」は、物理的なお別れの挨拶だ。
 使わなくなって10年経つが、ずっとぼくの手の届くところに置いてあった。廃棄料をケチっていたのもあるが、それ以上に相棒を手放したくなかった。
 だが、次第にぼくの考えも変わっていった。カラクサラボサーバも今や4代目。メーカーも、OSも、アーキテクチャも変わっていったが、セットアップの基本思想は脈々と受け継がれ洗練されていった。今ではある種のスケールモデルというべき設定に到達している。仕事で管理しているサーバも、カラクサラボ的思想と設定で安定運用を重ねている。
 記念碑的な相棒の姿がなくても十分に独り立ちできている。365日を超えるアップタイムがその証拠。だから区切りをつけることにした。
 ついに黒く無骨なPowerEdge SC420を破棄する覚悟を決めたのだ。ハードがなくても精神は受け継がれていく。
 さよならPowerEdge SC420。