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空飛ぶルータ

by 唐草 [2022/02/21]



 光ファイバーが高速化したけれど、無線LANルーターが古いせいでその恩恵を十分に活かせていなかった。これでは回線乗り換えした意味がない。だから、無線LANルーターを最新のWi-Fi6対応製品に買い替えた。
 ところが、設置しようとしたら予想してなかった問題に直面してした。
 新ルーターが想像よりずっと大きかったのだ。今までの2倍以上ある。アンテナが増えた分、大きくなったのだろう。性能や規格ばかりに気を取られ、大きさという基本を見落としてた。これでは、ネットワーク機器収納台のシャンプーラックに載らない。
 では、このデカブツをどこに置こう。
 無線LANルーターを置ける場所は意外と限られている。電源が必要なのはもちろんだし、LANケーブルが届く場所ではないとダメ。電波のジャマをするようなものの近くにも置けない。うちは小さな2階建ての戸建てだが、それでもできる限り家の真ん中に設置したい。
 ベストな条件を求めると、クリアすべきいくつもの課題が浮かび上がってくる。
 メタルラックに置こうかと思ったが、金属パンチシートのせいで電波が弱くなりそう。タンス脇に吊るすと家のど真ん中になるのだが、そこはエアコンの風をもろに受ける。暖房のせいで熱暴走してしまいそうだ。涼しい猫トイレの近くは猫砂が降りかかるので問題外。壁に穴をあけるのは避けたい。床置きだとホコリが積もる。棚の上だと猫に落とされる。
 どこも一長一短。涼しくて、金属から遠く、ちょっと高くて、家の中心に近くて、猫が乗らない場所。ありそうで無い。
 1時間半ぐらい仮置しては「ここでもない」とつぶやきながら家の中をウロウロしていたが、場所が決まらぬまま時間だけが過ぎていった。ひょっとして買う機種を間違えてしまったのだろうか?そんな不安さえ浮かび始めた頃、会心の一手を思いついた。
 パルプ集積材の本棚の側面にネジ止めをしよう。ここなら家の中心に近いし、高いし、エアコンの風も当たらないし、猫も通らない。
 新しい無線LANルーターは、まるで宙に浮いているかのように本棚の側面にへばりつくことになった。不思議な光景に見える事以外完璧。