カレンダー

2022/02
  
     
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

通帳没収

by 唐草 [2022/02/03]



 いくつかの銀行口座を持っているけれど、使う口座は自然と偏ってしまう。報酬の振込がある口座でなければ支払いにも使えないので、これは当然の結果。だからこの数年は赤い銀行の口座ばかり使っている。
 昔は緑の銀行がメインバンクだった。報酬の振込から携帯料金の支払いまで全部を緑に任せていた。いつ緑から赤へと切り替えたのかは定かではないが、気がつけば緑の口座はまるで凍結されたかのように動きがなくなっていた。
 このまま永久凍結されそうな緑の口座だったが、久々に使う当てができた。別の緑の口座へと振り込む必要が生じたからだ。赤い口座からも振り込めるが、ケチなぼくは手数料を気にして他行間振り込みは絶対にしない。最近は協業が盛んなので振込手数料が掛からなくなっているかもしれないが、万が一にも余計なお金を払うことになったらATMの前で暴れだしてしまうだろう。
 数百円をケチるための努力をいとわないぼくは、颯爽と駅前の銀行へ向かった。
 そしてATMで振込をしたのだが、画面には警告が出るばかりで一向に目的が果たせなかった。
 画面には「長年使っていなかったので、この通帳はもう使えないぞ!通帳を再発行するか、ネットバンキングを使え」と表示されていた。通帳をめくって最後の取引日を確認すると平成28年と書かれていた。6年前だ。
 冗談抜きで凍結されたのか?カードを使えば残高照会はできるが、振り込みはできないという妙な状況に陥っていた。
 どういう扱いになっているのかはよく分からないが、どうやら目の前のATMで振込をするのは無理そうだった。せっかく駅前まで出たのになんの収穫もなく帰路につくより他になかった。
 通帳を物理的に没収されたわけではないが、これは事実上の通帳没収。通帳はもう時代遅れだというのは分かっている。ドットプリンターで打った小さな数字が並んでいるのを見るのが好きだったのでちょっと残念。この数字って自分のステータスみたいなものだ。
 帰宅後、不本意ながら緑の銀行でもオンラインバンキングを開始。無事に振込完了。しかも手数料はゼロ。初めからこうしておけばよかった。