by 唐草 [2022/02/02]
目の前に示された赤、緑、青の3つの選択肢。どれでも自由に選べるが、選んだ後にどんな冒険が待っているかは分からない。
博士からの圧を感じそうな状況だが、世界的に有名なモンスター捕獲ゲームの1コマではない。ぼくが現実に巻き込まれた厄介な状況だ。
身の回りで赤、緑、青の3色から1つを選ぶというと大手メガバンクが思い浮かぶ。赤のUFJ、緑の三井住友、青のみずほだ。この選択だったら今の青はありえないので、事実上の二択。でも、銀行の話でもない。
選択の正体は、新しいサーバに導入するLinuxの種類。前にも書いたが、無償のCentosというLinuxの運営方針が変わって使いにくくなったので、別のOSに切り替える必要があった。今日まで決断を引き伸ばしてきたけれど、ついに先送りは無理になった。いよいよ腹を括るときがやってきた。
これがポケモンならワクワクしながら選んだだろう。あいにくOSの選定は楽しいものではない。それに炎属性は使いやすいといった分かりやすいメリハリもない。
赤のオラクル、緑のロッキー、青のアルマ。この中から1つを選ばなくてはいけない。心に決めていたのは、赤はイヤだということ。心の中で「オラクルはイヤだ、オラクルはイヤだ」と寮を決める新米魔法使いのようなことを唱えながら緑と青を比べていた。
緑と青は、本当に似ている。同じコードを親にして、同じ思想で開発され、ほぼ同時に公開された一卵性の双子のような存在。ぼくのレベルではどこに違いがあるのか分からない。
よく似た双子と言えども、何かが違うはずだ。世の中には双子の一方を選んで結婚する人がいる。長く付き合えば違いも見えてくるかもしれない。あいにく、今のぼくには付き合う時間はない。Noと言えないお見合いみたいな状況だ。
悩みに悩んで結論を下した。
「アルマのほうが名前が可愛い」
たったこれだけのことで新サーバのOSは、AlmaLinuxに決まった。カワイイはサーバ室でも正義。