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破壊と修理の境界

by 唐草 [2021/12/21]



 テレビのリモコンの調子が悪いことは、前に書いたとおり。ゲーム専用でアンテナ線がつながっていないテレビと言えども、リモコンが使えないとなかなか不便。昭和のテレビのように本体にあるボタンで操作せざるを得ない。
 一般的にリモコンが不調になる原因は、単純なものが多い。電池切れ、異物混入、端子摩耗のどれか。リモコンは頑丈に設計されているので、そう簡単に基板が割れたりチップが壊れたりはしない。ぼくのリモコンは電池を交換しても電源ボタンの不調が直らなかった。一方で電源ボタン以外はすべて正常。となると電池切れの線はない。
 異物混入でも端子摩耗でも、リモコンを分解して直接基板へ対応する必要がある。パナソニックのリモコンは異物混入を避けるためかネジを外しても全然カバーを外すことができない頑強な作りになっている。以前分解を試みたときは、押しても引いてもびくともしないカバーの硬さに音を上げ修理を諦めた。
 その時よりリモコンの調子は悪化している。電源ボタンは、強く押しても長く押しても無反応。もはや買い換えしかないような状況に陥っている。
 どうせ買い換えるのなら、その前に破壊覚悟で分解してみるのも悪くない。ネットで分解方法を調べると「カバーの爪を割る覚悟でこじ開けろ」と書かれていた。それに従い、傷がつくことも歪むことも恐れずカバーの隙間にマイナスドライバーをねじ込んだ。
 パキッと嫌な音が数度したし、カバーの端は歪んでしまったが、どうにかこじ開けることに成功。これで修理できなければただの破壊でしか無い。
 基板とボタンを調べるとボタン裏の導電体が致命的に摩耗していることが判明。接点復活剤でも直らなかったので、ボタン裏にアルミホイルを貼り付けて応急処置を施した。
 開けるときほどではないが、閉めるときも力任せ。プラスチックの歪みを手のひらで感じながらグイグイとカバーを押し込んだ。
 力任せの対応を施した結果、カバーを止めるツメが割れたりとボロボロになったが電源ボタンは復活した。ここに至る経過を考えると破壊なのか修理なのかよく分からない作業となったが、終わりよければ全て良し。