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魔法のある世界

by 唐草 [2021/12/19]



 ドラクエで育ったぼくは剣と魔法の世界が大好きだ。小さい頃に思い描いた空想世界では、剣と魔法が活躍して魔物が跋扈していた。大人になっても、男の頭の中なんて小学生と大差ない。今だって、剣と魔法とダンジョンのある世界がぼくの中の大きな位置を占めている。
 ただ、小学生の頃と違って今のぼくの頭の中には様々な知識が詰まっている。それは純粋さと引き換えに手にしたものと言えるかもしれない。
 ドラクエでもTESでも何でもいいけれど、いわゆるトールキン的な中世ヨーロッパベースのファンタジー世界に対して「そうはならんだろ」と無粋なツッコミを入れたくなってしまうのだ。ファンタジー世界を否定するために突っ込んでいるのではない。薄っぺらい知識の積み重ねが、矛盾を見つけてしまうのだ。幼かったころのようにファンタジー世界のすべてを受け入れて楽しみたいのに、それが叶わない自分を呪っている。
 ぼくがツッコミを入れるのは魔法の存在。ぼくだって魔法使いに憧れを抱いているし、手から炎を出したり、瞬間移動をしてみたいと願っている。でも、もし自分が魔法を使えたとしても火の玉を相手に投げるような非効率ことはしない。火の玉を発射できるとしたら、手元から相手に届くまでの間何が燃えているのだろう?継続して熱エネルギーを制御できるのなら手元から飛ばすのではなくて、いきなり相手に面前に火を起こすほうが合理的ではないだろうか?というようなことを考えてしまう。
 野生動物が火の魔法を使うことがある。人類の進化は火の発見からスタートしていると言われているが、火を操れる猛獣がいたら類人猿は魔法を使えても生存競争に勝てなかっただろう。また、原始時代から魔法があったら道具の発展は全然違ったものになっていそう。
 突き詰めていくと現実世界同じようにファンタジー世界を支配する物理法則とファンタジー世界にしかない魔法の法則の辻褄の合わなさが鼻についてしまうのだ。
 ファンタジー世界を描くのならエーテルじゃないけれど現実世界のファンデルワールス力のような世界を支配するエネルギーの存在を定義してほしい。つまらない大人になってしまったものだ。