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掃除をサボった代償

by 唐草 [2021/12/13]



 朝、目覚めたら肩と首が石のように強張っていた。腕を動かしても、首を動かしても鈍い痛みが走る。肩こりなんて生易しいものではない。首周りの筋肉が悲鳴を上げていると言うべき状況だ。こうなったのには心当たりがある。昨日、長らくサボっていたツケを一気に取り戻そうとしたからだ。
 昔から年末は大掃除の季節と言われてきた。冬は乾燥しているので水拭きしてもすぐ乾くという実利を重視した結果では無いはずだ。新年を気持ちよく迎えたいという精神的な理由から年の瀬の大掃除という文化が生まれたのではないだろうか?冷静に考えれば、寒いさなかに家を開け放して掃除に明け暮れるのは合理的とは言えない。春や秋の暑くもなく寒くもない季節に掃除をするほうがずっと楽。
 伝統や精神性よりも効率や合理性を求めるぼくは年末の大掃除に否定的。
 そんなぼくだが、昨日は換気扇のファンの掃除に1時間以上費やしていた。大掃除として取り組んだわけではないと声を大にして主張しておこう。たまたま年末に換気扇の汚れが見過ごせないレベルになってしまっただけのこと。
 我が家の換気扇は、壁に扇風機の羽根がついているような古風なものではない。数十枚の小さな羽根が集まったドラム型のシロッコファンを採用している新しいタイプの換気扇。見た目は円形の檻のよう。静かで吸引力も強く高性能なのだが、ひとつだけ問題がある。
 それが掃除の難しさ。
 羽根の枚数が多いことだけが問題なのではない。羽根と羽根の隙間が小さいこと、金属製でファンが重いことも掃除を難しくしている。だから掃除をサボりがち。今回は1年以上放置していた。そのせいで金属製ファンはこびりついた油と埃で、茶色い毛皮をまとっていた。
 重いファンを洗剤を溶いたお湯を張ったバケツに沈めて、ブラシを使って羽根1枚1枚を黙々と掃除していった。複雑な形状なので様々な向きから何度も磨かないと汚れは落ちない。気がつけば1時間以上も片手で金属製のファンを回し続けていた。
 慣れない動きに重い負荷。おかげでぼくの肩は、ひどい筋肉痛。これが掃除をサボった代償か。