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MacBookの幽霊

by 唐草 [2021/12/12]



 余剰Macを探していたら発覚した杜撰な備品管理の実態。帳簿上の収支が合うからといって健全だとは限らないし、合っていなくてもなあなあに済ませている疑惑が拭い去れない。春に倉庫で発見した2012年モデルのMacbook Proも杜撰な管理の果に生じた組織の影の部分だったのだろう。
 余剰Macを探す過程で件のMacbook Proに不可解なことが起きたので記しておこう。
 打ち捨てられた15インチの大きなMacbook Pro本体を見つけたのは良かったが、残念ながら電源アダプターがなかった。Appleの電源アダプターはどれも似た形なので「お、これか!?」と思う発見は相次いだが、合うものは1つとしてなかった。Amazonで安い互換アダプターを購入したのは、本体発見からしばらく経った夏のこと。そのときアダプターの型式を間違えたのは書いたとおりだ。
 最終的に正しいものを買ったのだが、残念ながらMacbook Proの電源がつくことはなかった。一瞬だけ通電ランプが光ったっきりで、うんともすんとも言わない。安物の中華製アダプターが悪かったのか、それともMacbook Proが完全に壊れているのかは分からずじまいだった。備品の行方も、ぼくの杜撰な買い物もすべて闇の中。
 今回のMacを巡る騒動の中で、ぼくはダメ元で再びMacbook Proに中華アダプターを接続した。正気とは思えないこういうことを試さなければいけないほど追い込まれていたのだ。
 混乱のさなかMacbook Proは静かに起動して、前のオーナーと思われる知らない人の名前を表示していた。
 えっ、これ起動するの?慌てすぎて機材を間違えたかと思ったのだが、確かに2012年のMacbook Proに中華製アダプターの組合わせだった。いままで何が悪かったのかもわからないし、今回の何が良かったのかも分からない。それでも、起動しているのは夢でも幻でもない。やったぜ、儲けもんだ!
 そして翌日。
 Macbook Proは完全に沈黙していた。中華アダプターも電気を送る気配がない。一体、何だったんだ。幽霊を見た気分だ。