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強く押しても意味はない

by 唐草 [2021/11/28]



 テレビがつかない。リモコンの左上にあるひときわ目立つ赤い電源ボタンを押しても、テレビはうんともすんとも言わない。
 そんなとき、みんさんはどのように対処しているのだろう?
 ぼくは、ボタンを押す親指によりいっそうの力を込めて強くボタンを押してしまう。そして、テレビが点くまで押し続ける。
 冷静に考えるまでもなく、ぼくの行動は合理的な判断から程遠い。一般的なリモコンは、ボタン裏に貼られた導電体が基盤に触れると通電して赤外線信号が出る仕組みになっている。重要なのはボタンを一定量押し下げることであって、押す圧力には何の意味もない。一定量下がるのであれば、軽く押しても、ゆっくり押しても、長く押しても差は生じないし、何よりリモコンにはその差を検知できる仕組みが入っていない。
 理屈では理解しているのだけれども、自分の指の動きにテレビが反応してくれないとつい力が入ってしまう。だから、全く意味がないのだけれど、ギュウギュウと力を込めてボタンを押して、テレビが点くまでその指を離すことはない。それでもつかないとボタンを押しながらリモコンをブンブン振ったりもする。
 リモコン不調の原因は、たぶん電池切れ。ただでさえ出力が落ちた電池が、この寒さで更に弱っているのだろう。
 とは言え、今使っているリモコンは前にも不調に陥り分解を検討した事がある。その時は、隙間のない作りに阻まれ分解できなかった。だから、基盤や導電体の摩耗、ゴムの劣化を完全には否定はできない。でも、夏場に一回も不調を起こしていないことを考えるとやはり電池切れで間違いない。
 ここまで分かっているのだけれども、テレビの反応がないとついつい強くボタンを押してしまう。ギュウギュウ押していると手の熱が電池に伝わってリモコンが動作するのかもしれない。実際何がきっかけでうまくいくのか判明していないので、強く押したらうまくいったという感覚だけが残る。
 頭では強く押しても意味はないと理解していても、因果不詳の成功体験が今日もぼくの指に力を込めるのであった。