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月の欠け方

by 唐草 [2021/11/20]



 昨日、夜空を見上げ月蝕を見た人はどれぐらいいたのだろう?ぼくは18時ちょっと前に家を出た口だ。
 家の裏の駐車場からは東の空がよく見える。駐車場に足を踏み入れると、いつもと違う月が昇っているのがすぐに分かった。西の空でしか見ることのない糸のように細い月が電線の間に浮かんでいた。薄雲の向こうにあっても、いつもとは全然違う姿なのがよく分かる。形は違えど、影になってる部分は暗くグレーなだけ。赤くて怪しい姿を想像していたので、拍子抜けしてしまった。
 数分待てば、蝕の最大を迎えるはず。月から目を離し周囲を見渡すと、ベランダから空を仰いでいる人や街道沿いの家の隙間を狙って空を覗いている人たちの姿があった。天体ショーに心躍らす仲間がいるようだ。
 再び、視線を東の空に向ける。そこに月はなかった。蝕が最大を迎えて光を失ってしまったのだろうか?そうではない。雲に完全に覆われて姿を隠してしまった。雲間を睨んでいると、すりガラス越しの光のようにぼんやりと何かが光っているのは確認できる。でも、それがどんな形をしているのかまでは分からなかった。
 しばらく待っていたが、雲は厚くなるばかり。蝕の最大を確認することは叶わなかった。
 家に戻るとニュース番組が、月蝕のニュースを伝えていた。日本のどこかには、くっきりと月が見える場所があるのか。ちょっとうらやましい。
 それから30分ぐらい経った19時ちょっと前に自室の窓から東の空をもう一度仰いでみた。そこには見たこともない欠け方をした月がくっきりと浮かんでいた。
 雲の晴れた空で、月の下1/4ぐらいだけが輝いている。最も欠けていた時よりも異様な感じがする。
 計算上は18:08が月蝕のハイライトだったかもしれない(暗いのにハイライトとはこれいかに…)。でも、その姿はメディアを通して紹介されていたので驚きも少なかった。それに見えないことに心動かすのは難しい。だから、蝕の最大への驚きは乏しかった。
 でも、19時前の月の姿は予備知識もなかったし、光っている部分も多いからこそ普段との違いもよく分かる。一夜明けた今、脳裏に残っているのは19時前の月の方。