KL system

みんなロボット

by 唐草 [2021/11/10]

　Googleカレンダーは単純だけど便利なサービスだ。ぼくも片手で数えられる程度の予定をせっせと登録している。クラウド経由で常に同期されるので、どこから登録してもすべてのデバイスに同じスケジュールが表示されるのは楽だ。
　Googleカレンダーの優れた点はクラウド同期に留まらない。真価を発揮するのは、なんと言っても複数人でカレンダーを共有するときだろう。誰のカレンダーであるかを気にせずに使っても、グループのスケジュールがきちんと管理される。共有権限を駆使すれば、カレンダーを公開することもできる。相手にスケジュールのお伺いを立てるなんて言うのは、もはや過去の習慣になりつつある。
　そんな時代だと言うのに、ぼくの勤務先は全体スケジュールの伝達方法に難があった。いまだにスケジュールだけは印刷物の名残が色濃い。ワードで作ったと思われる表がPDFで配布される。一応DXを果たしていると言えなくもないが、PDFからデータを直に取り込むことは難しい。PDFを見ながら手動でカレンダーアプリに登録するしかない。
　名ばかりのDXに業を煮やしたぼくは、職場の内向きサイトの権利者権限を駆使して改善を目指した。PDFの内容をGoogleカレンダーに登録して、それを職場のサイトのトップページに埋め込み表示するという計画だ。こうすれば始業時に、今月の予定を簡単に確認できる。
　Googleカレンダーの共有項目からHTMLをコピペしてサイトを更新した。これがスケジュールDXの第一歩！大袈裟なことをする必要は無い。できることから確実に変えていこう。そうすれば、どんどん日々の暮らしも仕事も便利になっていくはずだ。
　と勇んでいたのだが、結果は大失敗。
　始業時に数百人が同一IPアドレスから同じカレンダーへ同時にアクセスするので、組織全体がロボット扱いされてカレンダーが表示さなくなってしまった。サイトには何度押しても消えない「私はロボットではありません」チェックが表示されているだけ。
　ひょっとして、この職場にはロボットしかいないのだろうか？人はぼくだけ？いや、ぼくも？

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