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不思議な怪我

by 唐草 [2021/11/03]



 先日、右足の親指の爪が横方向に裂けた。幅にして5mmぐらい。見たところひどい深爪のようになって、爪がすっかり小さくなってしまった。流血には至らなかったし、裂けた直後に痛みもなかったことは、不幸中の幸いだ。
 変な話なのだが、この足の指は深爪に慣れている。巻爪のせいで妙な方向から押されているのが悪いのかすぐに裂けてしまう。そのちょっとした亀裂に靴下が引っかかったりすると、ぼくの柔らかい爪はさけるチーズのように簡単に裂けてしまう。今回もよくあることぐらいにしか考えていなかった。
 翌日、スリッパを履いたら足の親指の先に指すような鋭い痛みが走った。やはり深爪は、ぼくに傷を残していたようだ。爪の下の敏感な部分がむき出しになってしまったのだろう。
 ところが、いくら爪の先を見ても傷らしい傷はない。それどころか、痛みの走った部分をギュウギュウ押してもなんともない。自分の体なのに、どこが痛みの発生源なのかすら分からない。一見なんとも無いにも関わらず、スリッパを履くと痛む。スリッパの絶妙な当たり具合が、ぼくの傷を抉るのだろうか?
 患部の特定はできていないが、とりあえず爪の先に絆創膏を貼った。これなら患部への当たりも緩和されるだろう。だが、期待通りにはならなかった。だいぶやわらいだとは言え絆創膏を貼ってもスリッパを履くと少し痛いし、なんなら絆創膏が当たることで痛むような気もした。
 スリッパだけでなく、靴を履いても痛かった。とにかく爪の先に何かが軽く触れるように当たると鋭い痛みが走る。
 ところが、痛みを我慢して50mぐらい歩いていると急に痛みが消える。そうなってしまえば、もう心配はいらない。いつもどおり歩ける。後になって指先が腫れたりもしないので、感覚が麻痺している訳でもないようだ。
 大切に保護すると痛くて、手荒に扱うと状態が良くなる。なんとなく血行が影響しているような気もするが、正直良くわからない。自分の体のことながらなんとも不思議な傷だ。