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電源を買う

by 唐草 [2021/10/19]



 久々に耳が赤くなるほど頭をフル回転させた。高い集中力を発揮できたのだろうけれど、楽しくはなかった。間違えないように細心の注意を払い続けた30分という感じだった。
 ぼくの頭をフル回転させたのは、PCの電源選び。
 前に書いたように、経費でちょっとずつPCパーツ買って自作PCをゲットしよう計画が進行中。一気に購入して事務方に睨まれて計画が流れないように牛歩戦術のようにことを進めている。そのかいあってか、順調に予算が執行されている。
 今月のパーツは電源だ。PC電源選びは奥が深い。妥協してはいけないパーツだと言う人もいる。オーティオの世界にも通じるような沼が広がっている。
 余裕を考え、使用電力量より少し大きな電源を揃えるのがセオリーだ。だからと言って、過剰なものを購入すると効率が悪くなる。大きすぎず、小さすぎずという絶妙なラインの見極めが難しい。
 電源性能は、ゴールドやブロンズという名称で何段階かに別れている。動かすだけならブロンズでも問題はないが、省エネのことや安定性を考えると上位グレードのほうが良い。ゴールドで十分な気もするが、その上のプラチナぐらいがほしくなる。上を見てしまうときりがない。
 「2万円ぐらいで、750Wで、プラチナの品があったら買いだな」とだいたいのイメージを抱いてAmazonにアクセスしたのだが、そんな理想の品は転がっていなかった。
 18,000円のプラチナで大当たり発見かと思ったら650Wだった。750Wでプラチナで要件を満たしているが、予算上限の3万円を超えている。そんな具合に、どの品も帯に短したすきに長し。しかも、見た目はどれも黒い四角にファンが付いているだけ。画像だけでは、どのメーカーのどの品かなんて全然分からない。油断していると何度も同じ製品ページにアクセスしてしまう。
 電源の細かなスペックと間違え探し並みに類似した見た目に細心の注意を払って買い物をしていたら、いつの間にか頭がフル回転していた。それでも最後は妥協を余儀なくされて、なんだか徒労感だけが残った買い物となった。