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使って初めて分かること

by 唐草 [2021/10/09]



 初めての仕事道具を買う際に2つの考え方がある。「頻繁に使うんだから初めから良いものを買え」という先行投資型の意見と、それとは正反対の「必要な機能を理解できていないだろうから、まずは安物を買って勉強しろ」という様子見型の意見だ。対立する考え方だが、どちらか一方だけが正しいと白黒付けられるものではない。仕事内容や個人の価値観で判断は変わる。
 双方に言い分があるのは分かるが、ぼくは常に様子見をするタイプ。どんなものでもいきなり高級品に手を出すことはないし、高級品を選ぶ自分が詳しい分野でも他人にいきなり高級品を勧めることはない。ぼくはキーボードマニアだが、誰彼構わず茶軸を勧めたりはしない。
 今、ノートPC台を新調しようか迷っている。使う前は、ノートPC台なんてわざわざ買うほどの道具だとは考えていなかった。だから、家に転がっていたふくらはぎのストレッチ用の木製の台で代用した。ぼくが台を必要としたのは、ノートPCを机に置いているとカメラ位置が低いのでビデオ会議の際に顔を下から写すアングルになるのがイヤだったから。芸能人ではないけれど、顔を写す角度にこだわりたいと思って台を用意することにした。
 ストレッチ台を利用することでカメラ位置はいい感じになった。でも、写りに100%満足したわけではない。新たな画角で自分の顔を見ると、もっと様々なことを調整したくなってくる。これはアプリで自分の顔を加工しだすと止まらなくなる感覚に近いのかもしれない。
 顔の大写しは嫌なので、カメラをもっと遠くに置きたい。急角度すぎるとキーボードが使いにくいので、台に下駄を履かせて高さを稼ぎたい。人間が乗っても平気な堅牢なストレッチ台は、ゴツいし重いので机の上にあるとかなりジャマ。大きな問題が解決したことで、小さな不満がいくつも噴出してきた。
 これらの不満は実際に使ってみなければ、想像もできなかったこと。初めから高いのもを買うよりも、安いもので様子見をしたほうが正解への近道となる。だから、どんなものでも様子見が大切。