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タコのポーズ

by 唐草 [2021/09/27]



 この数ヶ月、腰痛に悩まされている。と言っても、ギックリ腰のように動けなくなるレベルでもなければ、慢性的な痛みに悩まされるようなものでもない。同じ姿勢で長時間椅子に座っているとなんとなく腰が痛くなる程度のとても軽微なものだ。日常の行動には何の支障も出ていない。
 とは言え、ギックリ腰持ちなので腰に少しでも痛みが走ると「またしてもやってしまったか」と緊張の汗が流れる。腰痛が直接もたらす肉体的な痛みより、心理的な緊張感のほうがぼくにダメージをあたえている気もする。
 職業柄どうしても椅子に座る時間が長くなってしまう。それにゲームが大好きなので、休みの日も椅子に座りっぱなしだ。それに加えてコロナ禍の在宅勤務と自粛がもたらす運動不足が追い打ちをかけている。起きているときは、腰にダメージを受け続けているような状態なのだろう。
 手軽にできる予防策として、仕事中は1時間おきぐらいに、そしてゲーム中は長いロードが入るたびにストレッチをするように心がけている。この心がけが功を奏したのかは分からないが、悪化もせず小康状態を保っている。それでも、ちょっとでも油断するとすぐに腰の調子が悪くなる。腰の爆弾の導火線は、常に燻っていると思って間違いないだろう。
 そんな一進一退の日々を過ごして痛感したことがある。
 楽な姿勢って腰に悪い。
 ぼくは昔から背筋が著しく弱いのでいつだって猫背。上体を背もたれや壁に預けていないと姿勢を維持できない。意識的に背筋を伸ばそうとしても数分もすれば息が上がっている。だから、気がつけば体の筋肉を可能な限り使わないタコのような歪んだ姿勢になっている。軟体動物のポーズはぼくにとって楽なのかもしれないが、人体構造からすれば不自然極まりないものなのだろう。
 結果として腰が悲鳴を上げている。ただ目の前の楽さだけを追い求めたためにかえって苦労を負う羽目になってしまったとも言える。筋トレをして、常に美しい姿勢を心がければぼくの腰痛はすぐに消えるのだろう。だが、あいにく筋トレをするための筋肉すら無い。万事休すだ。