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出勤=リハビリ?

by 唐草 [2021/09/09]



 名ばかりの緊急事態宣言下とは言え感染者が増え続けていたことを受けて、8月末から職場は在宅勤務を推奨していた。職員一人ひとりの健康を心配しているというよりも、目前に迫る職域接種までに組織から感染者が出ることを最小限に抑えてメンツを守りたいというのが本音だろう。
 本当の狙いがどうであれ、上手く立ち回れば全然出勤しなくてもお咎めのない状況にあるのは間違いない。それは普段まったくやる気を出していないぼくが、家から一歩も出ないで過ごすための策を嬉々として練る状況ということである。ちょっとぼくが本気を出したら2週間出勤なしという遅れてきた夏休みみたいな状況を作り出せた。もちろん本当に何もせずに休んでいたわけではない。リモートで多くの仕事をこなしたこともあり、この2週間でもっとも出勤しなかった職員という勲章をゲットできたはずだ。
 とは言え、無限に在宅勤務を続けられるわけではない。事務上の手続きであったり、PCの物理的な問題であったりと職場に足を運ぶことそのものが仕事となりうることもある。そんな仕事が溜まっていることから目を背けて自宅で仕事を続けていたが、いよいよ限界を迎えたのが昨日だった。
 渋々ながら2週間ぶりに出勤することにした。それは2週間ぶりに自転車にまたがったということを意味する。
 自転車を漕ぎ出して1分もしないうちに愕然とした。タイヤがパンクしたのではないかと思うほどにペダルが重かったのだ。もちろんパンクなんかしてない。ペダルが重いのは自転車のせいではなく、ぼくの筋肉が消え失せたからだ。
 先日、目標体重まで落とせたが体脂肪が激増していたと書いた。薄々筋肉がごっそりなくなったであろうことは想像できていた。でも、ここまでだとは夢にも思っていなかった。
 普段だったら颯爽と走り抜ける路地が果てしなく長く感じる。漕げども進まないのではなく、進みたいのに漕げないのだ。普段の1.5倍ぐらいの時間をかけて駅にたどり着いたときは、まるで1,500mの持久走を終えたときのように息も絶え絶えで吐きそうになっていた。
 ボタンが閉められなかったズボンが楽々履けるようになった代償がこれかと思うと全然嬉しくない。