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名探偵の代表作

by 唐草 [2021/08/28]



 世の中に数多の推理小説があり、その中で何人もの個性的な探偵や刑事が難事件に挑んでいる。読者は、傍観者として探偵の卓越した推理能力に感嘆したり、自分も探偵になったつもりで事件に挑んだりと様々な楽しみ方をしているのだろう。
 個人的に好きな探偵や嫌いな刑事がいるかもしれない。それでも推理小説界の2大探偵を挙げるとなれば、シャーロック・ホームズとエルキュール・ポアロの二人が選出されることに異論を挟むのは少数派だろう。今となってはどちらも古典と呼んでも差し支えない小説(推理小説の歴史が短いことを考えれば古典と呼ぶのが妥当だろう)の登場人物だが、時代を超えて愛され続けている。その枠は小説にとどまらず、映像化されたりと時代に合わせた形へ進化し続けている。
 今、ホームズやポアロの小説を読むと古臭さを感じずにはいられない。前提となる科学知識が古いのでページをめくっていると「なんでこんなことが分からないんだ!」とイライラすることも多い。時代劇を読んでいるんだと頭を切り替えないと辛いほどだ。
 それでも現代まで途切れることなく作品が伝わってきたのは、根底にある推理の手法の面白さや個性的なキャラクターを活かした物語の面白さにあるのだろう。どちらも推理小説の古典的教科書とも呼ばれているが、今となってはトリックそのものはオマケになっているのかもしれない。
 さて、ホームズとポアロから代表作を選ぶとしたら何になるだろう?
 すべてを読破したわけではないだが、ポアロからは『オリエント急行殺人事件』を挙げたい。何度も映像化されている点も無視できない。この選択に一切の迷いはない。次点は『ABC』と『アクロイド』で迷うところだ。
 一方でホームズの代表作となると決め手に欠ける。個人的には『バスカヴィル家の犬』を挙げたいが、「『赤毛連盟』の方が良くない」と言われたらすぐに心移りしてしまいそうだ。
 この違いってどこからくるのだろう?話の筋の面白さはポアロで、キャラクターの面白さがホームズということなのだろうか?