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最後の32bitアプリ

by 唐草 [2021/08/04]



 1996年に「NINTENDO 64」が発売されたとき「ついに64bitコンピュータの時代が到来した!」と目を輝かせたという話は前にも書いた。結果から言えば、ぼくの予想は大ハズレ。その後も10年以上32bitが主流であり続けた。さらに10年ぐらいかけて64bit化は穏やかに進んでいった。新しい時代への切り替えは、水面下で静かに行われていった。
 気がつけば、PCからスマホまで64bitとなっている。切り替えの恩恵を感じるのは大容量のメモリーを利用できるようになったことぐらい。マルチタッチ対応のタッチパネルやVR、音声入力なんかが実用化されたときのほうがよっぽど時代の進歩を感じることができた。
 華やかさも実感もまるでない64bit化ではあるが10年以上に渡って人知れず置き換えが進んだ結果、ついにハードからOS・アプリといったソフトに至るまでほぼすべてが64bitへの置き換えが完了している。見た目は何も変わらないかもしれないが、中身は完全に別物になっている。今や32bitアプリのほうが少数派だ。
 とは言え、32bitアプリが完全に駆逐されたわけではない。10年以上更新のない古いソフトは当然32bitのまま。これは仕方がない。だが、それ以外にも32bitのままのものがいくつかある。
 先日、気がついたのだがPDFを開く際にお世話になることの多いAdobe ReaderのWindows版は、未だに32bitのまま。Adobeは、早い段階からソフトの64bit化を進めてきた旗振り役的な企業だ。それなのになぜAdobe Readerだけは32bitのままなのだろう?
 不思議なことに32bit版なのは日本語を含む一部の言語だけ。英語圏ではすでに64bit版が配布されているようだ。日本語対応が面倒なのは分かるが、言語ローカライズはアーキテクチャとは関係ない上辺の話のはずなんだけどなぁ。
 このままだと最後の32bitアプリという、名誉なのか不名誉なのか分からない称号はAdobe Readerのものになりそうだ。ん、Zoomも32bitアプリ?なんか思ったより残っているな。