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カレーの進化

by 唐草 [2021/07/25]



 家でカレーを食べる機会は多い。10日に一度は食べている気がする。このペースならカレーが「1年間で食べた回数が多いランキング」トップ5にランクインしていても不思議はない。
 食べる機会が多いのに飽きない理由は、カレーには様々な味があるからだ。いわゆるカレーらしいカレーの欧風カレーからエスニックな雰囲気のグリーンカレーまで様々。食に寛容なインドの精神が多彩なバラエティーを許容してくれたおかげで、世界中でその地域に根ざしたカレーが発展したのだろう。生魚を愛する極東の島国や小麦麺の形状が豊富な地中海の半島の国などの排他的な自称美食国では、このような異文化を取り込む食の発展は絶対に起きないだろう。
 普通のカレーでさえルーがなければ作れないぼくが家にいながらにして多様なカレーを手軽に楽しめるのは、ひとえにレトルトカレーのおかげである。もしレトルトカレーがなければ、カレーのレパートリーなんてルーの違いと肉の種類ぐらいしかなかっただろう。市販のルーはメーカーごとに味は違うけれど、欧風カレーとグリーンカレーのような大きな差はない。厳しい言い方をすれば、どんぐりの背比べでしかない。きっとすぐに飽きてしまうだろう。
 ぼくがカレーに飽きないのは、同じ商品を続けて買わないようにしているから。商品を選ぶ際は、美味しかったという記憶よりも目新しさが優先される。今日も見知らぬメーカーの見知らぬ商品を求めている。最近エスニックカレーのレトルトも増えているので、ぼくとしては嬉しい限りだ。
 味の種類が増えてきたこと以上に関心しているのが、レトルトパウチの進化である。ぼくは古い人間なのでレトルトカレーはお湯で温めるという印象が抜けずにいる。でも、今の商品は電子レンジ調理を前提にしていて、パウチもドンドン進化している。パウチに蒸気抜き穴があるので皿に移し替える必要すらなくなった。
 気がつけばカレーは火を使わず食べられるものになっていた。揚げ物だって今やレンジ調理が一般的。技術の進歩が、食卓から火の存在を遠ざけている。次に火を使わなくなる食べ物ってなにになるんだろう?