カレンダー

2021/06
  
   
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

つられて走る

by 唐草 [2021/06/09]



 月曜日の夕方に気分転換と運動不足解消を狙っていつもの公園へ散歩にいった。公園への散歩は週1回のノルマとしている。でも、この日の散歩はいつもとちょっと違うものになった。
 月曜の散歩は、午後3時というのが慣例となっていた。冬の間、暗くなる前に散歩を終えていたいという願いから生まれた時間配分だった。もっともこれは在宅での仕事をサボる口実でもある。先日の月曜日は梅雨前だと言うのに夏本番を思わせる日差しと暑さだった。そんな中、散歩に出たら熱中症になってしまう。
 と言う訳で、普段より遅い午後6時に公園へと向かった。
 場所が同じでも、時間帯が異なれば公園にいる人々の顔ぶれは違っている。午後6時の公園には子供連れの親子の姿は既になく、どこを見回しても息を切らして走るジョガーばかりだった。
 いつものように歩いているとドンドン抜かされていく。ハイペースで走る運動部の高校生に抜かされるのならなんとも思わなかっただろう。でも、ぼくを抜かしていくのは同世代の鈍臭そうなオッサンとオバサン。年齢や体型を言い訳にできない人々に負けていた。心穏やかにするために緑の多い公園に来たというのに、追い抜かれるたびに敗北感に似た負の感情が溜まっていく。
 悔しい!
 と言う訳で、ぼくも走ってみることにした。およそジョギング向きの装いではなかったが、薄着だし靴もソールの柔らかいウォーキングシューズなのでどうにかなるだろう。
 ぼくが走るのは駅で電車に飛び乗るときぐらい。50mも走っていない。はたして走れるのだろうか?
 その心配は杞憂でしかなかった。走ってみればすぐに分かったのだけれども、ローカルな公園にたむろすジョガーのスピードは速歩きよりちょっと速い程度。だから、数年ぶりに走るのであっても公園半周600mぐらいは問題なくついていくことができた。
 なんだ、ジョギングなんて大したことないじゃん。これなら明日から4kmぐらい余裕で走れるかもしれない。
 と思っていたのだが、翌日両足の甲の外側が激烈な痛みに襲われてしまった。火曜日は痛みでろくに歩けなかった。水曜日になってようやく普通の筋肉痛レベルに落ち着いた。
 ダメダメすぎる。自分が情けない。