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レコードに代わるもの

by 唐草 [2021/05/30]



 壊れたレコードという使い古された比喩がある。辞書に意味を記すのであれば「何を聞いても同じようなことしか応えない様子」といった感じだろうか。疑惑の渦中にいる政治家の歯切れの悪い答弁の繰り返しを揶揄する際に使われている印象が強い。
 この比喩が使われているのは何度も見聞きしたことがあるし、意味も正しく理解できている。自分では使ったことはないが、ゲームとコンピュータのことしか書いていないこのブログは壊れたレコードに近い存在といえるだろう。
 「壊れたレコード」という言葉は、まだ慣用句の域には達していないかもしれない。でも、十分に通じる一般的な比喩としての立場を確かなものにしている言葉だろう。
 言葉の認知度とは裏腹に、ぼくは比喩のとおりに同じフレーズを繰り返す壊れたレコードというものをこの目で見たことはない。それどころか、レコードで音楽をかけている場面ですらほとんど経験がない。親が音楽好きだったので幼い頃にレコードを見たことはあるが、自分でレコードに針を落として音を楽しんだことはない。だから「壊れたレコード」というのがプレーヤー側の問題なのか、それともレコード盤側の問題なのかもよく分かっていない。もっと言えば、どういうトラブルが発生すると同じフレーズを繰り返すようになってしまうのかも分かっていない。
 ぼくは比喩の本質を何も分かっていないくせに、知ったかぶりして言葉を使っているに過ぎないのだ。
 世代が進めばレコードへの理解はさらに低下していくだろう。10年後には「壊れたレコード」という言葉が比喩としての役目を果たさなくなっていても不思議はない。
 ならば現代に則した比喩を今から考えておいて損は無いはず。「壊れたレコード」を令和最新版に置き換えたら何になるだろう?
 今どきの音楽プレーヤーでは繰り返し再生のトラブルなんてまず起きない。壊れたプレイリストだろうか?いや、なんか違う。音楽から離れたほうが適切な例えが見つかるかもしれない。何も考えずに同じことを言い続ける様子。うーん、なにかあるかな?
 SNSのクソリプ?って、これは壊れたレコードで喩える方だな。