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おぞましいホコリ

by 唐草 [2021/05/04]



 メールがうまく書けなかった。いつもどおりタイプしているつもりなのに、助詞が抜けていたり熟語が前半分しかなかったりとカタコトな文面になってしまう。疲れているのだろうか?
 いや、そうじゃない。キーボードがおかしいのだ。バックスペースキーが暴走していて、1度しか押していないのに2回分の処理が実行されることがある。その結果、イメージより1文字多く削除されていた。
 この不調が起きるのは久々だ。
 前回同様のことが起こった際は、キーボードを清掃することで事態を打開することができた。ホコリがセンサーの誤作動を引き起こしていたのだろう。このキーボードはすでに12年使っているが、メーカーの謳う耐久性を信じるのならばまだまだ寿命は遠い。きっと今回も故障ではなくホコリが悪さをしているのだろう。そうであってほしい。
 改めてキーボードをよく見ると黒いキーとキーの隙間が、白っぽく見える。本来であればキーと同じ黒が広がっているはず。ひと目で大量のホコリが詰まっていることが分かる。しかも太い繊維が一本一本がハッキリ見える。どうやら綿埃だけじゃなくて大量の猫毛も詰まっているようだ。
 掃除機に狭い所用ノズルを付けるとキーの隙間を吸い始めた。予想通りどんどん猫毛が吸い出されていく。だが、いくら吸ってもキリがない。キーボードから毛が湧き出ているかのようだ。
 横着してキーを付けたまま掃除機をかけるだけではダメなようだ。さらに成果を上げるには面倒だがキーを外すしかない。
 キーを外され丸裸になったキーボードには、何本もの毛が挟まっていた。それらを吸おうと掃除機を当てたところ思ってもみなかった光景が広がった。
 100個近くあるキースイッチの隙間という隙間からフェルト状になったホコリが長い舌のようにズルズルと這い出てきたのだ。まるで小さな海洋生物群れの巣をつついてしまったかのような有機的なおぞましさがあった。
 仕事をするぼくの指の下には、こんな世界が広がっていたのか。もっとマメに掃除しないとなぁ。