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牛の再利用

by 唐草 [2020/12/27]



 急遽、親のために年賀状を作ることになった。
 今年は印刷済みの年賀状を買って済まそうと考えていたらしいのだが、思いの外高かったし、何より満足のできるデザインがなかったそうだ。必要最低限のメッセージと牛の絵だけが書いてあるシンプルなものを探していたものの、売り場に並んでいたのはお正月らしい豪華な装飾のものや可愛い系の牛のイラストのものばかりだったらしい。納得のできないデザインを手に取ることができなかった結果、今年も自分で作ることにしたとのこと。
 作ると言っても、実際に手を動かすのはぼくの仕事。親がアートディレクターのようにいろいろ言ってくるのを聞きながら、文字を置いたり絵の大きさを調整していく。
 突然降って湧いた仕事だし、何より急ぎの仕事だったので作業時間を短縮するためにある工夫をした。それが、昔描いた素材の再利用である。
 2021年は丑年。牛のイラストが欠かせない。悪趣味な年賀状を作るのならステーキや牛丼、すき焼きなどの写真でもいいかもしれない。でも、新年早々そういうブラックなことはしない。その辺はわきまえているつもりだ。
 ぼくの手元にある牛のイラストは1つしかない。それが、今日の画像に使っている赤べこのイラスト。
 このイラストは、なかなか思い出深い作品である。友人が映像イベントを開催したときにスポンサーと称して彼の好物であるレッドブルを大量に差し入れした。差し入れのお礼にイベントのサイトにスポンサーバナーを貼ってくれることになった。そこで書いたのが、この赤べこ。イラストのファイル名は「Red Beko」になっているし、実際に作ったバナーもレッドブルのパロディーだった。ようするにダジャレだ。
 自宅にあった赤べこを撮影してトレースに近い感じで楽しみながら描いたのをよく覚えている。首振りアニメーション用に体と頭を分離して作ってある。
 懐かしい思い出は、すでに10年ぐらい前の話。
 それ以来、ちょくちょく再利用していた赤べこイラスト。まさか干支1周ぐらいの歳月を経て年賀状デビューするなんて思いもよらなかった。