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運命の分かれ道を先延ばし

by 唐草 [2020/04/19]



 映画の主人公になったかのように遊べる一本道のゲームも楽しいけれど、やはり物語中に分岐があったほうがゲームとして面白い。大きな分岐があるとそれだけで大きな緊張感が生まれるし、また「今度遊ぶときは、違う選択をしてみよう」という2周目以降へのモチベーションにつながる。
 純粋に物語を楽しめるのなら分岐は良いものだ。でも、ぼくのようにゲーム歴がムダに長いと余計なことを考えてしまう。
 物語に多様性を与えてくれる分岐だが、攻略的な視点からすると入手できないアイテムや仲間にならないキャラクターが発生する要因とも言える。コンプリートを目指すさいの大きな障壁となる。悲しいことに取りこぼしを嫌うゲーマーの性と分岐シナリオは相性が悪いとも言える。
 今となっては、後先考えずにシナリオに邁進できていた昔が羨ましくもある。損得勘定ばかりが先走るスレた大人になってしまったものだ。
 今遊んでいる『Fallout 76』の追加シナリオにも、どの派閥に所属するかの決断を迫られるという大きな分岐があるようだ。これはある意味シリーズの伝統とも言える。規律至上主義グループと荒くれ無法者のどちらかを選ばなくてはならない。多くのゲームでカオスよりもローを選ぶぼくの心は、遊ぶ前から規律組に決まっていた。
 でも、決断を先送りできるならギリギリまで先送りして両方のシナリオを楽しみ、そこでもらえるアイテムを1つでも多く集めたかった。
 その結果、今のぼくは双方の拠点を交互に行き来しているどっちつかずの芯のない人間となっている。スパイのように華麗に態度を使い分けているというより、双方の顔色を伺っているような卑屈な振る舞いだ。
 こんなプレースタイルなので、1キャラで両方のシナリオを体験できているし、レアアイテムの取りこぼしも少ない。だが、シナリオは遅々として進まず、緊張感に欠けている。
 ぼくは何のためにゲームで遊んでいるのだろう?アイテムをコンプリートするためだったっけ?そうじゃないはずだ。ぼくが目指しているのは、主人公になりきり物語を楽しむことのはずだった。だが、ぼく本来の優柔不断な性格が目的に直向きなヒーローを演じることを拒んでいる。これでは、何のためにゲームの世界へ飛び込んでいるのか分からない。