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過激な温熱療法

by 唐草 [2020/04/14]



 フレンドリーファイア(Friendly Fire)とは友軍誤射の英語である。攻撃対象を間違える誤射ではなく、後方の仲間が撃った流れ弾が前方の兵士に当たってしまう誤射の方だ。フレンドリーという耳馴染みのある明るい言葉とは裏腹に悲しい事態を指す言葉なのである。
 本来は軍事用語だが、ゲームにもしばしば登場する。特にマルチプレイのFPSで目にすることが多い。闇雲に銃を乱射しているとフレンドリーファイアが起きて仲間を倒してしまうこともある。
 ぼくは、フレンドリーファイアの苦い経験がある。初めてマルチプレイに参加して右も左も、そして画面の見方も分からなかった。とりあえず動くものを撃ったら友軍だった。開始10秒ぐらいで仲間を撃ち殺したので荒らし扱いをされてゲームから蹴り出された。
 『Fallout 76』にもフレンドリーファイアがある。ややこしいことにこのゲームのフレンドリーファイアはスキル名だ。
 このスキルは、火炎放射器など炎の武器の仲間を打つと仲間のHPを回復できるようになる奇想天外なスキルである。英語圏でも"Friendly Fire"という字面から「炎は友達」みたいなことを考えているのだろう。ダジャレの感覚は国境を超えているようだ。
 このスキルは使えないとみなされている。仲間の回復手段は他にもあるし、火炎放射器は弱い。回復のために火炎放射器を持ち込むぐらいだったら、マシンガンを持ち込んでさっさと敵を倒したほうがマシだ。ぼくも使ったことがなかった。
 だが、ネットを見ていたら衝撃的な情報があった。
 フレンドリーファイアは護衛ミッションのNPCを回復させる唯一の方法と書かれていた。これが本当なら、もう護衛対象に罵りの言葉を投げかけないで済む。
 早速、燃える刀「シシケバブ」を装備して、マルチプレイの護衛ミッションに参加してきた。敵を無視して一心不乱に護衛対象に斬りかかる。すると確かにHPが回復していく。世界が違って見えるほど攻略の幅が出た。
 護衛対象を斬り続けるという狂気じみたぼくの行動は他プレーヤーの目にどう映っていたのだろう。サムズダウンのエモートを大量に投げかけられたことを考えると荒らしとみなされていたに違いない。正しいフレンドリーファイアをしても、やはり荒らしの烙印からは逃れられないようだ。