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リモートワーカーの敗北

by 唐草 [2020/03/19]



 在宅ワークのフリーランスとして長らく働いてきたぼくにとって、コロナ対策のリモートワーク体制はとても体に馴染む働き方だ。数年ぶりに本来の自分に戻ったような安心感さえある。コロナが収束した後もリモートワークを許容する空気が持続することを願ってやまない。
 在宅ワークの良いところは時間に縛られないことだ。会社にいたら一番あくせく働いていそうな時間に悠々とゲームで遊んでいても良い。逆に自分の調子がノッているのならば、深夜まで働いて一気に仕事を片付けても良い。成果さえ出せればどんなスタイルで働いてもいいのだ。やる気のムラが激しく、成果主義を至高と考えるぼくには最高の働き方である。
 理想の働き方であるリモートワークを実現できているのは、前にも書いた通りソフトウェアとインターネットのおかげである。リモートデスクトップを駆使して、自宅にいながら職場のPCを自在に操ることができる。USBメモリでデータを持ち運びするより安全だし、クラウドを経由させる必要もない。安全で、なおかつ楽なんて最高じゃないか。ぼくのように一人部屋に籠もっていたい人間にとって、ITが発展した現代は本当に生きやすい良い時代である。
 今日もゲームで遊びながら、優雅なリモートワークで仕事を片付けていこうと考えていた。だが、ぼくの優雅で現代的な目論見は、ガラガラと音を立てて崩れ去ってしまった。
 リモート接続した職場のiMacが明らかに不調だったのだ。なんとアプリが起動しなくなっていたのだ。画面下部にならアイコンをクリックしても、アイコンがピョンピョン跳ね続けるだけ。待てども暮せども起動しない。強制終了も効かない。最後の手段として再起動を行おうとしたが「アプリが終了できないので再起動できません」というメッセージが出るだけ。
 足掻いて操作をすればするほどおかしくなっていって、デスクトップからアイコンは消えるし、最後にはメニューバーまで消えた。それでも、リモートアクセスできているのは驚きである。
 こうなってしまうと残された方法は、電源長押で強制的にシャットダウンしかない。こればっかりは、どうやってもリモートからはできない。
 という訳で、今日はMacを強制シャットダウンするためだけに出社した。リモートワーカーの敗北である。