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6,600円で済んでしまう

by 唐草 [2019/12/17]



 ようやくRaspberry Pi 4にSSDをつないだ完全無音サーバが完成した。あとは本番サーバから500GBぐらいのデータを転送すれば準備完了だ。
 ここまでの作業は、予想していたより遥かに順調だった。OSのインストールは、すでに完成しているディスクイメージをSDカードにコピーするだけ。普通にLinuxをインストールするより簡単だった。また、ソフトの導入もメジャーなパッケージマネージャーであるAPTが用意されているので、打ち慣れたコマンドを打つだけだった。
 また、「シングルボードコンピュータだから」とか「ARMアーキテクチャだから」といったハードに起因する問題も発生していない。4GBのメモリを搭載していこともあり、いつものようにいつものことをこなしているだけで環境が完成した。
 ここまで順調に進むと、なにか物足りなさすら感じてしまう。そのせいか完成た4代目カラクサラボサーバこと無音ラズパイサーバを眺めていても、頬が緩むような満足感を得られていない。
 この満たされぬ感じは、本当に順調に作業が進んだせいだけなのだろうか?どうも別の理由がある気がする。それに気がついてしまったのは、先日職場の新サーバの見積もりを書いているときだった。
 見積もっていたのは、ピークタイムの同時接続が1,500人ぐらいで、全利用者数が8,000人ぐらいの環境向けのデータベースサーバである。しかも、自作PCで賄おうという大胆不敵な計画だ。限られた予算の中でもっとも効率の良いものを組もうとパーツを吟味して、20万円ぐらいの落とし所を見つけた。
 その一方で、ぼくのサーバは税込み6,600円である。ぼくは限られた処理力を最大限発揮することを信条にPCを使っている。他の人に言わせると、まるでPCを育てているように見えるらしい。ぼく自身、ラズパイ4の性能でお釣りが来るほど十分だというのはよく分かっている。なにより、ここは日に数人訪れるだけのWebサーバ兼個人用ファイルサーバだ。処理能力など20年前の水準でもどうにかできるのだ。
 でも、別の見方をするとぼくのやりたいことなんてたった6,600円程度のことなんだとも言える。キラキラの見積書を書いた後だと、自分のやっていることがとても小さなことに見えてしまう。