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扇風機の季節、ふたたび

by 唐草 [2019/12/09]



 長らくぼくの部屋の暖房は、ストーブでもエアコンでもなかった。高温の排気を撒き散らす大型PCが暖房器具の代わりを担ってくれていた。リンゴ印のオシャレな暖房器具だ。寒い部屋の空気がPCを適度に冷却して、その排熱がぼくを温めるというエコシステムを築いていた。
 でも、ラズパイの導入で事態は一変した。もう900W電源も動いていないし、100Wぐらい平然と消費するCPUも冷たいままだ。今、ぼくの部屋で動いているのは、15WのUSB電源と1cm角ぐらいの小さなCPUだけ。普通に使っても50℃前半ぐらいにしかならない小さなCPUで部屋を温めることなど不可能。それどころか、部屋の空気にガンガン冷やされて動作温度30℃前半を保っている。
 相変わらず半導体に優しいエコシステムなのかもしれないが、このままではぼくが凍えて体調を崩してしまう。地球の未来を語りたいのであれば、まずは自分の健康を保つところから始めよう。と言う訳で、エアコンを稼働させることにした。
 この夏に購入した最新のエアコンは、人感センサーが備わっている。広告の触れ込みでは「人の位置を把握して無駄なく送風します」となっている。でも、それは世間一般の普通の部屋での話である。ぼくの部屋のように部屋のど真ん中に大黒柱のように大型の本棚がそびえ立っていて、人間は本棚の更に奥の部屋の隅っこで小さく丸まっているという環境は例外中の例外だろう。残念ながらハイテク機器も対応できないようだ。エアコンのコンピュータは本棚までの空間、つまり人のいない部屋の半分だけを温めて満足気に送風を止めてしまう。ぼくが寒さに震えている部屋の隅っこまでは、温風が届かないのである。
 この状況を打開するためには、空気を動かすしかない。ぼくは、団扇を大きく振り回して冷たい空気をエアコンの方へ送る。するとエアコンは、面倒そうに送風を再開する。
 しかし、手動で空気をかき混ぜ続けるのはあまりにも大変だ。もっと楽がしたいので、冬なのに扇風機を出すことにした。夏の間に会得した扇風機送風技術を駆使して部屋の四隅まで温風を送ることに成功した。ハイテク機器が、アナログ機械に屈した瞬間である。
 それでも、暖かい空気は部屋の上部に溜まってしまい、足元は寒いままだ。オシャレハウスの天井についているようなシーリングファンが欲しい。